研究概要 |
1.ICPMSを用いてホタテガイ貝殻中のLi,Mn,Ba,Sr, Mg含有量を測定する技術を確立し、岩手県大槌産、岩手県山田産、北海道鹿部産、北海道知内産のホタテガイの産地識別が可能であることを示した。同じ方法を用いて母川の異なる天然シロサケの判別、養殖場の異なるニジマスの判別を試みた。その結果、シロサケの判別は不可能であったが、ニジマスの養殖場の判別は可能であった。さらに、測定法の改良を行い、測定溶液中のCaの除去に成功し、Li,Mg,Mn,Sr,Ba,Cd,Pb,Cu,Al,Zn,Feの測定が可能となった。 2.レーザーアブレーションICP-MSを用いた点測定法により海洋生物硬組織中の微量元素濃度定量のための基礎技術を開発中である。現在、適当なスタンダード物質の作成に取り掛かっている。これが可能となれば、耳石や貝殻中の成長リングを併用することにより、成長にともなう微量元素濃度の変化スペクトルをとることが可能となる。 3.耳石微量元素含有量を指標として、各種魚類の回遊履歴解析をおこなった。現在もこのプロジェクトは進行中である。
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