研究課題
本課題はグッピーをモデル実験魚として魚類における高温耐性に関与する遺伝子を探索し、探索された遺伝情報を基に産業対象種における高温耐性個体の判別手法を確立することを目的としている。昨年度までにグッピーにおいて43マイクロサテライトDNAマーカーの開発を行い、6連鎖群を推定した。さらに、交配実験から高温耐性に関与する主働遺伝子がX染色体のY染色体を相同ではない部分に存在することが推定された。今年度はサプレッション-サブトラクション法を用い、高温処理時に特異的に発現する遺伝子を特定することを目的とし、以下の実験を行った。1)水温35℃で2四時間処理を行った際に生残していた個体と通常飼育(水温23℃)個体を用い、サプレッション-サブトラクションを行い、高温処理時に特異的に発現量が増加、あるいは低下している遺伝子を得た。2)発現量が増加している遺伝子として44のDNA断片が得られた。これらDNA断片の塩基配列を調べたところ、6の断片が既知の配列と有意な相同性を示したが38の断片はいずれの配列とも有意な相同性を示さなかった。3)相同性を示した6の断片はそれぞれCytochrome P-450 1A、Vitellogenin II Precursor、 Vitellogenin I、Transferin、Growth hormon receptor、Liver-basic fatty acid binding proteinであった。
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29^<th> International Conference on Animal Genetics, ISAG 2004/Tokyo
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