研究課題/領域番号 |
15380141
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
今田 千秋 東京海洋大学, 大学院・海洋科学技術研究科, 教授 (90183011)
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研究分担者 |
矢沢 一良 東京海洋大学, 大学院・海洋科学技術研究科, 客員教授 (70359694)
小林 武志 東京海洋大学, 大学院・海洋科学技術研究科, 助手 (60242327)
浜田 奈保子 東京海洋大学, 大学院・海洋科学技術研究科, 助手 (70323855)
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キーワード | リパーゼ / 海洋細菌 / 放線菌 / プロトプラスト / スクリーニング / 大腸菌 / 酵素阻害剤 / ホスホリパーゼ |
研究概要 |
低温酵素を阻害する物質の探索にあたり、今年度はリパーゼおよびホスフォリパーゼ活性を有する海洋細菌の探索とリパーゼおよびホスフォリパーゼに対する阻害活性の簡便な評価法の検討を行った。リパーゼ活性およびホスフォリパーゼ活性を有する海洋細菌の探索には主に海産動物の腸内共生細菌を標的とした。岩手県大槌湾で採取した約600株の海洋細菌(25℃で単離)、奄美大島で採取した約400株の海洋細菌(25℃で単離)、北海道利尻島で採取した約200株の海洋細菌(15℃で単離)、北海道釧路沖海底から採取した約150株の海洋細菌(15℃で単離)をそれぞれ試験に供した。奄美大島での分離株にリパーゼ活性を有する海洋細菌が、また釧路沖海底からの分離株にホスフォリパーゼ活性を有する海洋細菌をすでに取得した。これらの菌株を用いて各酵素の阻害物質のスクリーニングを行う計画である。 さらに昨年度発光細菌と大腸菌でプロトプラスト融合に成功した融合株の中から両親株の性質とは明らかに異なる組み替え体を13株得て、それらの生理生化学的性状を親株と比較したところ、これらの融合株は高い抗生物質体制を有する他は大腸菌の性質と一致した。これらの13株の中から最も高い耐性株(4-12株と命名)を選び、DNAの制限酵素処理切断パターンを調べた結果、大腸菌とほぼ一致したため、発光細菌の持つ薬剤耐性の形質のみが特異的に融合によって水平伝播された可能性が強く示唆された。 昨年度に引き続き様々の海域及び各深度の海水中や海底堆積物などから、放線菌を初めとする海洋微生物を分離した。これらの微生物について、各種条件下で培養し、培養液中のプロテアーゼインヒビターやチロシナーゼインヒビター活性などを現在測定中である。
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