研究課題/領域番号 |
15380150
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加賀爪 優 京都大学, 農学研究科, 教授 (20101248)
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研究分担者 |
沈 金虎 京都大学, 農学研究科, 講師 (70258664)
鬼木 俊次 農林水産政策研究所, 評価・食料政策部, 主任研究官 (60289345)
鈴木 宣弘 九州大学, 農学研究院, 教授 (80304765)
大森 賢一 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (50223962)
仙田 徹志 香川大学, 農学部, 助手 (00325325)
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キーワード | 中山間地域 / 環境保全型農業 / 地域振興 / 環境・農業政策 / 持続的な発展 |
研究概要 |
平成16年度は、中国、中東を含むヨーロッパ、日本の農山村における現地調査と政策関連機関や個別農家へのインタビューを実施し、そこで各自が得た文献や統計資料を持ち寄り、各地域の現状と問題点および成功事例の規定要因等について、相互に情報交換と議論を重ねることにより、論点を整理してきた。 中国については、主として北部乾燥地域に於ける草原遊牧地区の特徴と1980年代以降の草原農村経済改革と地域経済の変貌を概観し、草原「3化問題」の現状とそれをもたらした経済的、制度的な要因を分析した。そのうえ、中国現行の草原農業政策の問題点と限界を明らかにするとともに、今後の草原農業政策の展開方向について考察した。 さらに、EUとの比較を詳細に行うために、その拡大EUの状況に焦点を当て、特に、ブルガリアにおける環境保全型農業の推進政策とそれに関連した助成制度について、現地調査を行なった。現在、ブルガリアはEU加盟を直前に控えており、その関係で、国内の農業保護政策をWTO体性下で規制緩和および自由化を推進しつつあるEU共通農業政策に合わせるために今後数年かけて、国内農業政策を大きく返還することを迫られている。こうした状況に加えて、従来の計画経済体制から、徐々に市場経済を取り入れた体制へと移行する過程での混乱状態から脱しきれていない。また、EUへの加盟を模索しっつあるもう一つの事例として、アジアとヨーロッパの両方の文化的背景を共有するトルコの農業環境政策について、検討するため、現地調査を行い、そこでの農業生産における環境変化の影響とその対策について情報を収集し、産業連関分析を中心とする計量的分析を行った。 さらに、わが国に関しては、生産調整政策の変更の影響および中山間地域農業への直接支払い制度の展開状況について統計的分析を行った。
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