研究課題/領域番号 |
15380156
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塚田 和也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80323476)
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研究分担者 |
齋藤 勝宏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (80225698)
大賀 圭治 日本大学, 生物資源学科, 教授 (80302587)
茅野 甚治郎 宇都宮大学, 農学部, 教授 (40163729)
小林 弘明 和光大学, 経済経営学部, 教授 (70329019)
首藤 久人 筑波大学, 農林学系, 講師 (40292792)
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キーワード | 農業政策 / 国際貿易 / 国際比較 / 部分均衡分析 |
研究概要 |
国内の農業政策と国際市場における相互関連性を明示的に考察し、各国の農業政策の持つ影響を正確に理解するため以下の研究を行った。(1)経済の自由化が進展する下で、財(農産物)の国際貿易に関する障壁を取り除いた場合の影響を分析した。要素移動の可能性を含む理論モデルにより、市場において複数の不完全性が存在するケースでは、単純な貿易自由化が必ずしも自国の厚生水準を改善させるわけではない点を明らかにした。(2)EUの砂糖輸出補助金を取り上げ、WTOにおける紛争処理と国際市場に与える影響の問題を理論的な観点から分析した。(3)アジア地域におけるコメの輸出国(タイ、ベトナム、インド)の農業政策をレビューし、コメの国際市場との相互関連性を考察した。インドにおける穀物の公的分配システムは、貧困層への穀物確保と生産者保護の二面から理解することができ、どちらの目的においても国内価格の下方硬直性をもたらすことが明らかにされた。国際市場との関連では、とりわけ、国際価格の下落期においてインドからの輸出が増大する傾向にあり、この背景には公的分配システムの存在が重要な役割を果たしている点を指摘できる。一方、ベトナムでは、農業政策はほぼ完全に自由化されているが、国内の市場間、あるいは国際市場と国内市場の間で、必ずしも完全な市場統合が果たされているわけではないことが示された。 以上のような事例に基づく理論的・実証的な研究を通じて、国内農業政策の影響を理解するうえでは、国際市場への影響とそのフィードバックを十分に考慮しなければならない点を明らかにすることができた。また、多くの場合、国内農業政策の帰結は、当該市場のみならず、国際市場や他の国内市場(要素市場など)の特質に依存しており、注意深い考察が望まれる点も確認された。
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