研究課題/領域番号 |
15380158
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研究機関 | 沖縄国際大学 |
研究代表者 |
兪 炳強 沖縄国際大学, 産業情報学部, 教授 (80310069)
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研究分担者 |
廣瀬 牧人 沖縄国際大学, 産業情報学部, 教授 (20279417)
モンコンノラキット モンコン 沖縄国際大学, 産業情報学部, 助教授
仙北谷 康 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50243382)
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キーワード | 沖縄 / プーケット島 / 済州島 / 海南島 / 開発 / 環境 / 農業 / 赤土 |
研究概要 |
本年度の主な研究実績は以下の通りである。 第一に、沖縄、プーケット島、済州島および海南島の社会経済・産業構造などに関する島嶼地域間比較研究データベースの構築を行った。 第二に、海南島における現地実態調査を実施し、80年代以降の経済開発の進展に伴う産業構造の変化について実証的研究を行った。その主な結果、(1)海南島の経済発展は1992年頃を境に大きく前期と後期に分けられ、また前期より後期の方が大きい。(2)後期の経済発展は主に第1次産業および第3次産業の発展によるものである。第1次産業の発展は主に、農地利用率の向上、土地生産性の向上および収益性の高い野菜類や熱帯果実の生産増加による農業発展、および海洋漁業や近年の養殖漁業の生産拡大による漁業発展などによってもたらされた。(3)産業構造の変化は1992年頃を境に方向が大きく変わった。前期では第1次産業のウェートが減少、第3次産業が増加したが、後期では第1次産業がやや増加に転じ、第2次産業は低位水準のままで第3次産業はやや減少するといった全国とは異なる変化が示された。 第三に、沖縄県における農地による赤土流出の実態調査を実施した。現在、沖縄県内における赤土の流出量のおよそ7割が農地によるものであると推定される。その主な原因はさとうきび収穫後の降雨量の多い5〜6月における裸地農地からの流出であり、赤土流出を防げるためには農家レベルで流出対策技術の普及が喫緊の課題となっている。しかし、農業生産者の高齢化や小規模経営などの問題を抱えているなかで、農家レベルの赤土流出防止対策技術の採用に伴うコスト負担がボトルネックとなっている。この研究成果に基づき、沖縄県主催の公開シンポジウム「止まれ赤土!やんばる大格闘」(平成17年1月29日開催)において、研究代表者が「環境調和的地域発展と地域的合意形成」を題に講演した。
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