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2004 年度 実績報告書

汽水湖および淡水湖における水環境要素の動態特性と閉鎖性水域内の生態系モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15380164
研究機関鳥取大学

研究代表者

吉田 勲  国立大学法人鳥取大学, 農学部, 教授 (40038237)

研究分担者 原田 昌佳  国立大学法人鳥取大学, 農学部, 助手 (80325000)
四ヶ所 四男美  国立大学法人九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80038265)
森 健  国立大学法人九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50117272)
平松 和昭  国立大学法人九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10199094)
キーワード閉鎖性水域 / 水環境 / 富栄養化 / 生態系モデル / 貧酸素化 / 植物プランクトン / 植生を有する流れ / 密度流
研究概要

閉鎖性水域における水環境要素の動態特性の把握とその変動予測を目的として,現地観測,水理模型実験ならびに数理モデルの構築を行った.
1)汽水湖の現地観測と数値実験
湖山池最深部において水質調査,微気象観ならびに生物調査を行った.植物プランクトン優占種の季節的消長の観点から湖山池の水環境について検討した結果,植物プランクトンの増殖に関わる環境因子を抽出し,とくに藍藻類とTN, TP,クロロフィルaとの有意な関係を見出した.また,カオス工学の分野で開発された予測手法であるLocal Approximation法を用いてDOの短期予測を行い,その有効性を示した.つぎに,東郷池を対象に吹送流と塩分輸送に関する3次元解析モデルを構築し,風速によって海水の進入形態や水域の成層化に違いが生じることが示した.
2)有明海の数値実験
有明海北部を対象に,船底防汚塗料等を起源とする有機スズ(TBT)の環境動態と運命を数値シミュレーションによって検討した.まず,非定常平衡の仮定の下,表面ミクロ層,水,浮泥層,底質,以上の4個のコンパートメントからなるマルチコンパートメントモデルを構築した.次に,有明海北部の水中及び底泥中のTBT濃度の実測値からTBT負荷量の逆推定を行った.逆推定には遺伝的アルゴリズムを用いた.さらに,船底防汚塗料が現時点で全く使用されなくなったとする簡単なシナリオの下でTBT濃度の将来予測を行った.本モデルは,その簡単なモデル構造にもかかわらず,TBTの環境動態や運命の推定さらにTBT汚染の将来予測に有効であることが示された.
3)水理模型実験
水草の水面占有率が閉鎖性密度成層水域における吹送流の乱流構造に及ぼす影響について検討した.乱流エネルギー収支の鉛直構造は,水草の占有率の増加にともない,水草のない場合のそれに比べて,とくに水面および密度界面近傍で差異が顕著になることを明らかにした.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 鳥取県湖山池における溶存酸素の変動特性について2005

    • 著者名/発表者名
      原田昌佳, 吉田 勲
    • 雑誌名

      雨水資源化システム学会誌 10(1)

      ページ: 29-35

  • [雑誌論文] Numerical modeling of environmental behavior and fate of tributyltin in a semi-closed bay2005

    • 著者名/発表者名
      Hiramatsu, K., Y.Oshima, S.Inoue, S.Shikasho
    • 雑誌名

      Paddy and Water Environment 3(1)(In press)

  • [雑誌論文] Numerical prediction of suspended sediment concentrations in the Ariake Sea, Japan, using time-dependent sediment resuspension and deposition model2005

    • 著者名/発表者名
      Hiramatsu, K., S.Shikasho, K.Mori
    • 雑誌名

      Paddy and Water Environment 3(1)(In press)

  • [雑誌論文] Impact of aquatic plants on entrainment phenomena based on wind-induced flow in a closed density stratified water area2004

    • 著者名/発表者名
      Ozaki, A., K.Mori, E.Inoue, T.Haraguchi
    • 雑誌名

      Paddy and Water Environment 2(3)

      ページ: 125-134

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 生態系モデルによる低平地水田地帯のクリーク水質解析2004

    • 著者名/発表者名
      平松和昭, 白谷栄作, 四ヶ所四男美
    • 雑誌名

      九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 59(2)

      ページ: 153-164

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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