研究課題/領域番号 |
15380166
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
足立 忠司 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (20012007)
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研究分担者 |
近森 秀高 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (40217229)
永井 明博 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (80093285)
沖 陽子 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (30127550)
中嶋 佳貴 岡山大学, 環境理工学部, 助手 (50304340)
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キーワード | 法面 / 被覆植物 / 生活型 / 土壌浸食 / 水食 / 表面流去水 / 土壌形成作用 / 酸性雨軽減効果 |
研究概要 |
法面被覆植物の土壌侵食抑制機能はその生活型の相違によるとの観点から、被覆植物の生活型が土壌侵食抑制に及ぼす効果を検討した。実験は、傾斜10度のマサ土法面において、2m(W)×5m(L)の試験枠を設置し、下端に設置した導入板と貯水槽により、降雨毎の土壌侵食量を実測した。法面被覆植物としては,厳しい環境への適応力が高いと考えられ,かつ生活型の異なるギョウギシバ,ダイコンドラおよびヨモギの3草種を供試し、対象区としての裸地区と比較した。開設1年目における各試験区の特性は以下の通りである。 1.裸地区の流出高1とすると、ヨモギ区0.62、ダイコンドラ区0.67、ギョウギシバ99区0.65、ギョウギシバ96区0.63であり、被覆植物の表面流抑制効果は無植生に比べて約35〜40%と顕著であった。 2.裸地区の土壌侵食量を1(土壌侵食量10.5kg10m^<-2>)とすると、ヨモギ区0.09、ダイコンドラ区0.42、ギョウギシバ99区0.14、ギョウギシバ96区0.16であり、被覆植物の土壌流亡抑制力は無植生に比べて約10〜16%と顕著であった。ダイコンドラ区の値が大きいのは植被率が小さく裸地に近いためである。 3.現時点では、表面流抑制効果や土壌流亡抑制力に対する草種間差は有意ではないが、総葉面積、草高、根張り、群落形成等の要因から見ると、ヨモギが早期緑化にすぐれ、かつ侵食防止能に優れている傾向が認められた。 4.法面被覆植物による酸性雨のpH軽減効果が認められ、土壌侵食抑制効果のみならず大気環境悪化の生態系へ影響軽減効果も確認できた。
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