研究課題/領域番号 |
15380172
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
櫻谷 哲夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (00260612)
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研究分担者 |
縄田 栄治 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30144348)
樋口 浩和 京都大学, 農学研究科, 助手 (50303871)
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キーワード | アグロフォレストリー / ハイドローリックリフト / 陸稲 / マーカミア |
研究概要 |
京都大学農学研究科のハウス内で、根の伸張を遮断する仕切板を片側にもつ直径1mのパン型容器中央にアグロフォレストリー樹種の一つであるMarkhamia luteaを植え、その周囲に陸稲(品種:ハタフサモチ)を栽植して、樹木による作物の環境ストレス改善効果を、光合成蒸散測定システムを用いて陸稲の光合成速度、蒸散速度および気孔抵抗を測定することによって調べた。晴天日における光合成有効放射束密度は北側において南側の12〜17%であった。表層土がある土壌水分に達するまでは、南側・北側ともに、側根側と無根側の陸稲の光合成速度、蒸散速度および気孔抵抗に大差はなかった。さらに土壌が乾燥するにつれ、南側では樹木と陸稲に水の競合が生じ樹木下を除き陸稲が早く枯死に至った。これは樹木の大きさに対し陸稲のが大きくなりすぎたため、日の良く当たる場所ではハイドローリックリフトの恩恵が得られなかったためと考えられた。これに対し、若干内側に位置した側根側の陸稲は緑を保ちハイドローリックリフトの恩恵があったものと見られた。北側は、側根側と無根側ともに晴天日の光合成速度が南側の約20%であったが、土壌水分の減少が緩やかで陸稲は実験終了まで緑を保った。以上のことから、樹木の存在は水分競合が生じない限り近傍作物の水ストレスを緩和することを確認した。
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