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2004 年度 実績報告書

気候温暖化による牧草種の衰退原因と適応ポテンシャルの解明

研究課題

研究課題/領域番号 15380181
研究機関弘前大学

研究代表者

杉山 修一  弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (00154500)

研究分担者 原田 竹雄  弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (10228645)
伊藤 大雄  弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (00333716)
キーワード気候温暖化 / 牧草 / 衰退 / 光合成温度反応 / アイソザイム / 遺伝変異
研究概要

(1)オーチャードグラスは仙台以南で集団の急速な衰退が起こるが,トールフェスクは東北南部においても集団の衰退は顕著に見られない。これら2種の分布パターンに差が生じる原因を解明するために,2種間の光合成の温度反応を調査した。ポット栽培した両種の植物を人工気象室で23℃から40℃まで2℃間隔で順次温度を上げ育成した。同じ温度で3日間順化をし,各温度処理の最終日に光合成を測定した。光合成は,ライカー社のLI-6400で測定し,A/CiカーブからVcmaxとJmaxを計算した。また,同時にクロロフィル蛍光反応から,光エネルギーの吸収効率と電子伝達に関するパラメーターを算出した。両種において,30℃以上の高温で光合成速度は温度に比例して低下した。Vcmaxは高温条件でも変化しなかったが,Jmaxは高温下で低下した。Jmaxの低下は,光化学システムIIの活性低下と強く関係していた。このことから,オーチャードグラスとトールフェスクの高温条件下での光合成速度の低下は,光化学システムIIの機能低下に起因することが明らかとなった。しかし,両種の間には光合成パラメーターの温度反応に有意差はなく,2種間の分布パターンは光合成の温度反応以外の要因が関与している。
(2)オーチャードグラスの分布南限の集団が衰退する原因として,個体数の減少による,遺伝変異の減少とそれに伴う近交弱勢の発現が考えられる。そこで,集団の衰退が起きている仙台以南の7つの地域の自生集団と,東北北部で優勢に生育している7地域の集団間で,アイソザイムの遺伝変異の多型性を比較した。アイソザイムは5酵素7遺伝子座を用いた。南限集団は北東北の集団に比べ種子不稔率は有意に高かったが,両集団にはどの遺伝子座においても,アイソザイム遺伝変異量に差は見られず,南限集団には遺伝変異の減少が起きていないことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Influence of PTGS on calcone synthase gene family in vellow soybean seed cCoat2004

    • 著者名/発表者名
      Kasai A., Harada T.et al.
    • 雑誌名

      Breeding Science 54

      ページ: 355-360

  • [雑誌論文] Inheritance of Md-ACS1 gene and its relationship to fruit sofetening in apple2004

    • 著者名/発表者名
      Oraguzie NC, Harada T.et al.
    • 雑誌名

      Theoretical and Applied Genetics 108

      ページ: 1526-1533

  • [雑誌論文] Allelotype of a ripening-specific 1-aminocyclopropane-J-carboxylate synthase gene defines the rate of fruit drop in apple2004

    • 著者名/発表者名
      Sato T., Harada T.et al.
    • 雑誌名

      J.Amer.Soc.Hort.Sci. 129

      ページ: 32-36

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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