研究課題/領域番号 |
15380184
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
金井 幸雄 筑波大学, 農林学系, 教授 (40015871)
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研究分担者 |
平林 美穂 筑波大学, 農林学系, 講師 (60311312)
藤原 勉 島根大学, 農学部, 教授 (00023474)
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キーワード | 水牛 / 熱帯畜産 / 地域資源活用 / 産肉性 / 日増体量 / 飼料効率 |
研究概要 |
水牛は、牛よりも大きな体蓄熱量を持ち、暑熱環境下では体表血液流量の増加が顕著で顕熱放散を効果的に行うなどの特徴を有し、粗飼料の利用性に優れるという特徴とともに、飼養環境条件の与え方如何によっては、水牛は牛よりも産肉・産乳等に高い生産効率を発揮する可能性を有している。本研究では、このような水牛の優れた暑熱湿潤環境への適応能力に着目し、1)産肉特性、2)産乳特性、3)肉質の3点に焦点を絞って、生産家畜としての水牛の特徴を科学的に評価することを目的にした。本年度の研究実績は、概略以下のとおりである。 1.水牛の産肉特性の評価と適正飼養技術の確立に関する研究 海外共同研究者の協力を得て、フィリピン水牛センターで水牛および牛(いずれも交雑種)各10頭を用い、比較飼養試験を実施した。平均月齢を22カ月齢に設定した上で、地域粗飼料資源のネピアグラスを基礎飼料とし、これにフスマ・ビール粕などの現地農業副産物を加えた標準飼料を設計し、6カ月間の肥育試験を行って、産肉能力および飼料効率等を解析した。現在、半数の個体について解析を終えているが、水牛の日増体量は牛よりも大きく、飼料効率も水牛の方が優れている。全頭検査の完了を待って成績を取りまとめる予定である。 2.水牛肉の特性評価に関する研究 上記の肥育試験に供した水牛と牛を用い、定法により食肉としての栄養特性評価、保水性や剪断力などの加工特性に関する評価を実施中である。また、筋肉・脂肪組織の生理的特徴を解析するため、農林水産大臣の許可を得て水牛肉および牛肉サンプルの一部を日本持ち帰った。これらの結果は、次年度中に判明する予定である。
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