研究課題/領域番号 |
15380185
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
後藤 正和 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20144230)
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研究分担者 |
森尾 吉成 三重大学, 生物資源学部, 助手 (90273490)
苅田 修一 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90233999)
高橋 敏能 山形大学, 農学部, 教授 (70113959)
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キーワード | 飼料イネ / 発酵品質 / 付着乳酸菌事前培養液 / ルーメン発酵 |
研究概要 |
飼料イネは、その他の飼料作物と比較して付着乳酸数や可溶性糖類が少なく、また発達した中空組織のために踏圧密度も上がりにくいために、サイレージ発酵品質の低いことが技術的課題としてあげられている。本研究では、飼料イネを圃場から収穫後、直ちに細切して2%(w/v)程度の可溶性糖類(例えば、砂糖)を含む水道水に浸漬し、ポリタンク内で嫌気的に30℃前後に保温して2〜3日間事前培養して、付着乳酸菌事前培養液(FJLB)を調製した。このFJLBを飼料イネサイレージ調製時に0.2%(v/w)、添加した場合の発酵品質、飼料特性に及ぼす影響について検討した。1リットル容ボトルサイロを用いた実験では、1)FJLBの培養は2〜3日目のものが発酵品質を著しく改善し、5〜7日目のFJLB添加はその改善効果が低下することが明かとなった。発酵品質における改善は、乳酸発酵の促進、酢酸,酪酸、エタノール、アンモニア態窒素生成の抑制、乾物損失の抑制など、全般にわたることが明かとなった。2)また、FJLB添加サイレージでは、穀実中に多く含まれるフィチン態リン含量が有意に低下し、その程度は発酵品質の改善程度と密接に関連することが明かとなった。従って、乳酸菌による可給態リンの増加など、飼料特性の改質効果は認められた。200リットル容ドラム罐サイロを用いた実験では、3)上記と同様に発酵品質の改善のほか、自由摂取量の増加ならびリン出納の改善が認められた。4)その他、未消化で排泄される籾発芽性はきわめて微弱であることを明らかにして、未消化籾による品種混入などの懸念は必要ないことを示した。
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