研究課題/領域番号 |
15380192
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村松 達夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60166303)
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研究分担者 |
村井 篤嗣 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (10313975)
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キーワード | 生体エレクトロポレーション / 流体力学遺伝子導入法 / レプチン発現ベクター / マウス / 飼料摂取量 / 体重 / 脂肪組織重量 / 遺伝子導入効率 |
研究概要 |
動物の成長促進は第一義的に飼料摂取量の増加によって達成できる。脳内で合成され接食量促準効果をもつ生理活性物質については既にNPY、AGRPなどが知られ、脳内の視床下部の摂食中枢レセプターに結合することによってその作用を生ずる。それゆえ末梢投与では効果が期待できないと考えられている。一方、レプチンは末梢にて合成され、脳内に到達した後、NPYやAGRP等の合成を調節することにより摂食量を調節することが知られている。そこで、本研究では、血中へのレプチン生産のための最適な非ウイルス性生体遺伝子導入法の選択と、その成長への効果を調査した。研究結果の概要は以下の通りである。 1.レプチン遺伝子による飼料摂取量、体重、脂肪組織重量に及ぼす影響を調べるため、マウスへエレクトロポレーション法、並びに流体力学法を用いて生体遺伝子導入を行った。 2.導入遺伝子はプラスミドに組み込んだレプチン発現ベクターを用いた。 3.エレクトロポレーション法による生体遺伝子導入の結果、対照区と比べて有意な体重の低下と飼料摂取量の低下、並びに褐色脂肪組織重量、副睾丸周囲脂肪組織重量の低下の傾向が観察された。 4.同様に、流体力学法でも1週間後に体重の低下が確認され、さらに副睾丸周囲脂肪組織重量の低下も確認された。 5.これらの結果は、エレクトロポレーション法並びに流体力学法の両手法ともに末梢からの中枢神経系への組換えレプチンの輸送に有効な方法であると結論された。 6.遺伝子導入効率については、導入後1週間目では流体力学法がエレクトロポレーション法に比べて非常に高いことが示唆された。
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