研究概要 |
本研究では、希少野生動物から非侵襲的に得られる糞の中に含まれる性ステロイドホルモンの分子生物学的微量測定により各種希少野生動物の生殖周期をモニタリングすることおよび希少野生動物の個体数回復を目指して飼育条件下において人工繁殖の臨床応用を実践することを目的とした。 そこで本年度は,希少野生動物のモデルとしてイエネコを用い、また、実際に希少野生動物であるツシマヤマネコとツキノワグマにおいて以下のような実験を行なった。 1.イエネコおよびツシマヤマネコにおける糞中性ステロイドホルモン濃度の測定 1)イエネコにおいてTR-FIAキットを用いて糞中エストラジオールおよびプロジェステロン濃度測定法を確立した。 2)ツシマヤマネコにおいて糞中性ステロイドホルモン濃度測定により生殖周期のモニタリングを行なった。 2.ツキノワグマにおける凍結精液を用いた人工授精に関する研究 1)雄グマより麻酔下で電気刺激射精法により精液を採集した。 2)精液の運動性、精子数および奇形率などの検査を行なった後、精液を凍結保存した。 3)凍結融解後に同様の検査を行ない,よりよい凍結保存法の検討を行った。
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