研究課題
Rhodococcus sp.AN-22において構築する低温致死カセットに用いる制限酵素遺伝子を決定するために、本菌のゲノムDNAを調製し、主に8塩基認識の制限酵素を中心に、遺伝子配列の情報が利用できること、また容易に入手できる点を考慮して、消化パターンを調べた。その結果、Streptomyces fimburiatusから得られるSfi Iが、本菌のゲノムを適当なサイズで消化できることを見出した。Sfi I遺伝子をPCRによって増幅するために、S.fimburiatus NBRC15411のゲノムDNAを塩化ベンジル法により調製した。調製したゲノムDNAを鋳型としてSfi I遺伝子を増幅し、pGEM-T easyにクローニングし、得られた断片の塩基配列を調べたところ、いずれのクローンも完全な目的遺伝子を含んでいなかった。これはSfi I遺伝子を有する形質転換株では、同遺伝子のわずかな発現によって、ゲノムが消化され、死滅し、不完全なORFを有するものだけが生育してきたと結論した。そこでわずかに生合成されるSfi Iによる消化から大腸菌のゲノムを保護する目的で、Sfi I methylase遺伝子をクローニングし、同遺伝子を保持する大腸菌でSfi I遺伝子をクローニングすることを試みた。その結果、低コピータイプのベクターであるpMW218においてSfi I遺伝子をクローニングすることができた。今後は得られた遺伝子を足がかりとして、低温致死カセットの構築を進めたいと考えている。
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Biochem.J. 393
ページ: 219-226
日本農芸化学会関西支部442回講演会、講演要旨集、
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