研究分担者 |
島田 昌之 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助手 (20314742)
高瀬 稔 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80226779)
田中 伸和 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 助教授 (50263744)
磯部 直樹 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (80284230)
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研究概要 |
1.複数の下水処理場から排出される処理水に含まれるエストロゲン(17β-estradiol)とノニルフェノールを年間を通して化学分析した結果、5〜20ng/lの17β-estradiolと<0.1〜0.3μg/lのノニルフェノールを検出した。 2.エストロゲン受容体Tg遺伝子を相同染色体の両方にもつホモTgメダカを大量に飼育し、これの受精卵を用いて上記処理水のエストロゲン活性を測定した結果、30〜100%の血栓率を示した。一連の操作法を標準化し、環境水評価法を確立した。 3,エストロゲン受容体の結合配列をプロモーター上流に結合したrolBテスター遺伝子、GFPレポーター遺伝子、またはGUSレポーター遺伝子と35Sプロモーターでメダカエストロゲン受容体遺伝子を過剰発現するコンストラクトを持つ植物形質転換用バイナリーベクターを構築した。 4.家畜糞尿汚水中および汚水が流入する河川におけるエストロンサルフェートとプロジェステロンを年間を通して定量した結果、それぞれ処理汚水中に0.1〜0.5μg/1,0.4〜0.5μg/1,河川中に0.4μg/1,0.1μg/1が検出された。 5.堆肥を施肥した畑で作物を栽培し,土壌中,作物中のエストロンサルフェートを定量した結果、堆肥中に高濃度のエストロンサルフェートとプロジェステロンが検出され,その施肥した畑で栽培したマメ科植物の種子に蓄積していた。 6.エストロンサルフェートの生物学的影響を雄ウズラをモデルに検討した結果,精巣重量の低下,テストステロン濃度の減少,肝臓における脂質代謝の異常が検出された。 7.カエルの雄生殖巣で特異的に発現している遺伝子を探索するために、ツチガエルを用いて、卵巣から精巣への分化転換過程におけるDmrt1遺伝子発現およびDmrt1タンパク質発現を解析したところ、雄生殖巣で特異的に発現していることが確かめられた。
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