研究課題/領域番号 |
15380227
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐原 健 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30241368)
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研究分担者 |
安河内 祐二 農業生物資源研究所, ゲノム研究グループ, 主任研究官 (50355723)
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キーワード | カイコ / BAC / FISH / コンティグ / RAPD地図 / コールドスポット / 性染色体 / 鱗翅目昆虫 |
研究概要 |
本年度、合計512個からなるBACコンティグ作製し、RAPD地図28連関群へとそれぞれ座位決定した。一昨年度までにBAC-FISHにより、カイコ染色体数(n=28)と同数の全28連関群からなるRAPD地図との統合を果たしたマッピングデータを拡充するため、連関群に対応するコンティグの代表となるBACを選抜し、各染色体上へとマッピングを行った。Cy5用フィルターを導入したことから一度にマッピングできるBACプローブ数が1.5倍に増加し、実験効率の向上が認められた。染色体へマッピングしたBACのほとんどは組み換え価に基づいてRAPD地図上に座位決定された結果と良く一致したものの、1)連関地図上とは異なる染色体上にシグナルの認められるもの、2)同一染色体上にマッピングされるが、位置関係に齟齬のあるもの、3)複数の染色体上にシグナルの認められるものが検出された。これらのうち、前2種は座位決定の誤りの可能性があるために対応連関群ならびに組み換え価の再検討が必要と考えられる。 昨年度、対応遺伝学的な地図(RAPD地図)と染色体上の物理的なBACの相対的な位置関係を対応づけた際に認められた不一致について検討を行い、染色体組み換えの頻度が物理的距離に対応していない部位を明らかにした。この部位はカイコ染色体における組み換えのコールドスポットにあたる可能性が示唆された。また、データベース上に公開された全ての既知遺伝子について対応するBACを検出し、その一部はBAC-FISHによる染色体マッピングを行った。 GISHとテロメアFISHを組み合わせたマルチカラーFISHによる性染色体構成の簡便な判別法を開発し、鱗翅目昆虫における性染色体進化研究の新たなフェーズを見いだした。
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