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2003 年度 実績報告書

水系媒体中での触媒的有機合成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15390003
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

眞鍋 敬  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (00251439)

キーワード水中反応 / 不斉反応 / アルドール反応 / 高分子触媒 / ルイス酸 / ブレンステッド酸 / ヒドロキシメチル化反応 / ジアステレオ選択的反応
研究概要

本研究では、水を反応媒体として用いる有機合成反応の開発研究を行った。水系媒体中での有機合成反応は、従来主に用いられてきた有機溶媒中での合成反応と比較して、有害かつ高価な有機溶媒の使用を低減化できることや、溶媒・反応基質等の脱水乾燥の必要が無いことから簡便な操作で反応を行うことができるなどの利点を持つ。更に、有機溶媒中では実現できないユニークな反応性・選択性がしばしば観察されることから、学術的にも大変興味深い研究分野である。一方、触媒は、極少量で多量の生成物を生産できる化学反応促進剤であり、触媒を用いる触媒的有機合成反応は、環境調和型化学反応プロセスの実現に欠かせない手法である。したがって、水系媒体中での触媒的有機合成反応は、その実現のための有効な方法論が見出されれば、社会的影響は極めて大きい。
本年度に得た研究成果は以下の通りである。
(1)高疎水性高分子型ブレンステッド酸触媒を開発し、水媒体中での種々の反応(エステル、チオエステル、アセタール、ケイ素エーテルの加水分解等)に有効であることを示した。
(2)水系溶媒中での触媒的不斉ヒドロキシメチル化反応を進行させる触媒を開発した。本反応は、ケイ素エノラートとホルムアルデヒドとの触媒的不斉反応の初めての例である。
(3)アリルアルコール類をアリル化剤として用いる、パラジウム触媒による水媒体中でのアリル位置換反応を開発した。本反応の高速化に、ある種のカルボン酸の添加が有効であることを見出した。
(4)水中でのジアステレオ選択的向山アルドール反応に鉄(III)イオンが有効であることを見出した。鉄(III)イオンは、これまでは水系溶媒中での向山アルドール反応に不適であると考えられてきたため、本反応は、水中で機能する金属触媒についての従来の考えを大きく変換させるものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Iimura S., Manabe K., Kobayashi S.: "Catalytic Deprotection of Protected Alcohols in Water Using Low-Loading and Alkylated Polystyrene-Supported Sulfonic Acid"Journal of Organic Chemistry. 68. 8723-8725 (2003)

  • [文献書誌] Manabe, K., Ishikawa, S., Hamada, T., Kobayashi, S.: "Lewis Acid-Catalyzed Asymmetric Hydroxymethylation of Silicon Enolates in Aqueus Media"Tetrahedron. 59. 10439-10444 (2003)

  • [文献書誌] Manabe, K., Kobayashi, S.: "Palladium-Catalyzed, Carboxylic Acid-Assisted Allylic Substitution of Carbon Ncleophiles with Allyl Alcohols as Allylating Agents in Water"Organic letters. 5. 3241-3244 (2003)

  • [文献書誌] Aoyama, N., Manabe, K., Kobayashi, S.: "Iron(III) Chloride as a Water-Compatible Lewis Acid for Diastereoselective Aldol Reactions in Water in Presence of Surfactant"Chemistry Letters. (印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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