研究課題
基盤研究(B)
本研究ではゲノムを標的とするために、(1)DNA/RNA複合体、(2)3本鎖DNA複合体、(3)DNAマイナーグルーブ結合分子、の3種類の配列認識手法を検討する。DNA/RNA複合体を基盤するアプローチでは1塩基の違いを正確に認識し、特異的に反応する分子の開発を目指す。3本鎖DNA形成分子の研究では、すでに妨害部位であるTA塩基対を特異的かつ強く認識できる分子を開発したので、本研究ではもう一つの妨害部位であるCG塩基対を認識し、さらに一般的な2本鎖配列での3本鎖形成を目指す。マイナーグルーブ結合分子として種々の合成検討により天然物の構造からDNA認識に必要な構造を決定する。(1)誘起反応性を有する人工核酸誘導体の開発接近効果によってシトシンに対する選択性と高い反応性を達成する設計概念に基づき、誘起反応性をもつ人工核酸を開発した。平成16年度はこのものの細胞内機能を検討し、反応性を有しない核酸に比べて高い効率と選択性が実現できることを明らかにした。(2)3本鎖DNA形成の妨害部分であるTA特異的認識の一般化の検討平成15年度に引き続き、新しい特異的認識分子の検索を行うため、ベンゼン環と塩基構造を種々変換し、また立体化学の異性体を含めた多様なWNA化合物を3本鎖形成オリゴヌクレオチドに組み込んで網羅的に検討した。その結果、ブロモ置換ベンゼン環をもつWNA化合物を組み合わせることによってすべての隣接配列において安定な3本鎖DNAを形成させることに成功した。(3)天然物Chromomycin A3をヒントにした新しいDNA認識分子の開発平成15年度に見出したMg^<2+>を介して2量体を形成し、(GC)_2部分に結合するChromomycin A3モデル化合物を基本として、同じ構造を2個含む2量体分子を合成した。この新しい分子はDNAに結合することによって2本鎖を解離させる興味深い性質を持つことを見出した。
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