研究課題
研究計画(1):1-1,α細胞におけるグルタミン酸によるグルカゴン分泌抑制機構を分子レベルで解明した。代謝型受容体mGluR4が介する抑制性cAMPカスケードによるものであった。成果はDiabetes誌に発表した(論文1)。1-2,α細胞の分泌顆粒に存在する小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT2)の膜トポロジーを解明した。また部位変異導入法によりVGLUT2の変異体を複数作成し、機能アミノ酸残基の一つを同定することができた。これらの成果に関わる論文を作成中である。1-3、既知のmGluR4アゴニストの10倍以上強力なグルタミン酸誘導体を合成できた。グルカゴン分泌抑制能も10倍以上であった。これは有望なグルカゴン分泌抑制薬である。現在、この物質をリード化合物として複数の誘導体を合成中である。現在、特許申請の準備を進めている。研究計画(2):2-1、β細胞に発現している新しいイオン型グルタミン酸受容体を同定した。この成果は現在論文としてDiabetesに発表した(論文2)。2-2,SLMVsの構成蛋白の一つとして神経型と異なった新しい小胞型GABAトランスポーター(vesicular GABA transporter, VGAT)を同定した。成果はDiabetesに掲載された(論文3)。研究計画(3)、グルタミン酸によるソマトスタチンの分泌促進現象を発見した。2-1でふれた新しい受容体がここでも関与していた(論文2)。以上、研究計画は極めて順調に進んでいる。ほとんどの企画が当初の目標を既に達成、3年目で予定される計画に取り組んでいる。
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化学と生物 (印刷中)