研究課題/領域番号 |
15390032
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
辻本 雅文 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 主任研究員 (00281668)
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研究分担者 |
服部 明 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 研究員 (50300893)
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キーワード | アミノペプチダーゼ / 胎盤性ロイシンアミノペプチダーゼ / 白血球由来アルギニンアミノペプチダーゼ / 脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ / オキシトシナーゼサブファミリー / MHCクラスI抗原ペプチド / 高血圧症 / 大量発現系 |
研究概要 |
A-LAPの活性発現調節機構を明らかにするため、点変異導入した変異体酵素の作製を行った。野生型および変異型酵素をバキュロウィルス発現系にて作製し、酵素活性を比較検討した。その結果、これまでに高血圧症との関連が示唆されている遺伝子多系型変異酵素(A-LAP^<L528R>)の活性は野生型に比べて顕著に低かった。さらにHis548の点変異体についても活性低下が認められた。このことは、これらアミノ酸残基がA-LAPの活性発現に重要な役割を果たしていることを示唆しており、その具体的役割について今後検討を進める予定である。 P-LAPは、腎臓や脂肪細胞、神経細胞の調節性小胞に存在してcAMP刺激などによって細胞膜表面へと移行することが知られている。本酵素の膜移行の生理的意義およびメカニズムを明らかにする目的で、GFPやFLAGタグを付加したP-LAPを恒常的に発現する細胞株の作製を行い、発現株を得た。次年度は本細胞株を用いて小胞膜移行の生理的なStimulatorの探索や小胞を構成するタンパク質の同定などの解析を進める。 野生型あるいは糖鎖の含有量を低下させた変異型A-LAPをバキュロウィルス大量発現系にて作製し、これを用いてタンパク質の結晶化を試みた。微細な沈殿が生じるような条件はいくつか見出せたものの、X線構造解析に使用できるような結晶が生じる条件の同定には至らなかった。使用細胞やウィルス作製法など大量発現系の条件を再検討した結果、タンパク質の発現量が向上し、さらには安定性もましたことから、酵素を安定に得ることが可能となった。そこで次に、精製度を上げたり、分離条件を検討した上で、結晶化へと取り組みたい。
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