研究課題/領域番号 |
15390035
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 雄一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80090471)
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研究分担者 |
前田 和哉 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00345258)
楠原 洋之 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (00302612)
鈴木 洋史 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80206523)
広野 修一 北里大学, 薬学部, 教授 (30146328)
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キーワード | 血液脳関門 / トランスポーター / 排出輸送 / 有機アニオン / pharmacophore / 基質選択性 |
研究概要 |
血液脳関門を介した異物排泄機構を克服するためのドラッグデザイン確立のために、ligand-basedなアプローチにより血液脳関門に発現する異物排泄トランスポーターの基質認識特性を明らかにすることを目的とした。水溶性有機アニオンの排泄に働くラットならびにヒトOAT1ならびに3の基質選択性について、LLC-PK1細胞ならびにHEK293細胞を宿主として遺伝子発現系を構築し、基質情報を集めるとともに、基質の官能基を物理化学特性を表すpharmacophoreにより置換し、その3次元構造の重ね合わせを行った。その結果、基質間に共通の物理化学特性の立体配座が存在することを明らかにした。この情報は、今後OAT1ないしOAT3を対象としたドラッグデザインに有用である。また、OAT3と対を成す排泄側のトランスポーターとして、マウスRSTが血液脳関門に発現していることを見出した。極性細胞(LLC-PK1細胞)にOat3とともに共発現させ、経細胞輸送を定量化した。その結果、RSTを共発現させることで、始めてbenzylpenicillinなどの有機アニオンのベクトル輸送が達成されることから、RSTはOat3と共益して血液脳関門を介した異物くみ出し機構として働いていることが示唆された。血液脳関門に発現するABCトランスポーターとして、BCRPの遺伝子発現系を構築した。遺伝子発現系から調製した膜ベシクルを用いて、基質選択性の解明を試みた。その結果、広範な化合物を基質としており、一部Oat3と基質選択性も重複しており、RSTと並んでOat3と対をなす排泄側のトランスポーターであることが示唆された。
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