研究課題
本研究では妊娠期曝露が出生仔の生殖系及び脳神経系にどのような影響を及ぼすかを検討した。ICR系マウスに妊娠2日から16日目までディーゼル排ガス(DE)を吸入曝露(0,0.1〜3.0mgDEP/m^3)し、出生仔に現れる様々な変化を解析した。その結果、(1)出生した雄マウスで、一日精子生産量の低下、血中テストステロン値変動、精巣組織像の悪化、精巣特異的遺伝子の変動が認められた。それらの影響は直径0.3μm以上のDEP成分を除去した曝露でも認められた。(2)新生仔脳でXist mRNA発現量の上昇が認められた。(3)胎仔期から7週までの連続曝露マウスの行動観察で、自発運動量が有意に変動し、脳内伝達物質の測定でドパミン系、セロトニン系の変動が認められた。以上、胎仔期にDEを曝露された出生仔マウスにおいて、雄性生殖系や脳神経系に有害な影響が及ぶことが示唆された。
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Environmental Toxicology 20
ページ: 431-440
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