研究課題
(1)緑色蛍光タンパク(GFP)をknock inしたマウスの血液灌流腎臓ならびにランゲンドルフ灌流心臓標本に強い緑色励起光を照射することで、臓器中の虚血部位においてGFPの緑色蛍光が長波長側にシフトすることを示した(論文投稿中)。これは、GFPが臓器レベルのin vivo酸素イメージングプローブとして利用できる事を意味する。この手法は、低酸素や虚血に際しての細胞の生存戦略を臓器レベルで検討するために極めて有用と考えている。(2)本研究の中心をなす仮説-心筋細胞においては、低酸素や虚血に際し、ミトコンドリアはATP産生を犠牲にしてまでもミトコンドリア膜電位を維持し、細胞死を回避する-を検証するためには、subcellularの空間分解能で細胞内のATPをイメージングする必要がある。これまで、細胞内ATPのバイオイメージングは報告されていないが、今回、マウス卵細胞をモデルとして、細胞内遊離Mg^<2+>から間接的にATPをイメージングすることに成功した。脱共役剤により細胞内ATPを枯渇させた所Mg^<2+>の急速な上昇が見られた。この結果は、in vitroでのATP測定結果(通常のluciferine-luciferase法を用いた)と合致した。また、受精時には、一過性にATPレベルが低下するものの、ただちに受精前値よりも高いレベルで定常となることを初めて示した。これは、受精がミトコンドリアにおけるATP産生調節をリセットするものと結論した(Biol Reprod on lineで先行publish済み)。
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Biol Reprod (on lineにて先行出版)
ページ: 10.1095/bioIreprod. 104.034926