研究課題/領域番号 |
15390066
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中澤 博江 東海大学, 医学部, 教授 (20110885)
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研究分担者 |
石田 英之 東海大学, 医学部, 助教授 (20222424)
福山 直人 東海大学, 医学部, 講師 (50349338)
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助教授 (70216878)
後藤 信哉 東海大学, 医学部, 助教授 (50225653)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | レドックス / 心・血管系 / 活性酸素 / nitric oxide / PAI-1 |
研究概要 |
《実験目的》 1.レドックスイニシエーターとして血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、心筋細胞からの活性酸素/NOを検出する。 2.血管内皮細胞を用いた動脈硬化の進展と血栓形成における血清脂質(LDLとHDL、TG)の関与をPAI-1に注目して、レドックスの観点から検討する。 3.レドックス反応によって生じるニトロタイロシンをマーカーとして、マウスの動脈硬化巣のRuptureにおけるレドックス制御を明らかにする。 《結果》 1.各種細胞からのlow output活性酸素生成系の同定と活性化機構の解明については、化学発光法、蛍光法、電子スピン共鳴(ESR)法を用いて、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、心筋細胞にTNFα、Angiotensinを投与した際の活性酸素生成のタイムコースを明らかにすることが出来た。 2.ヒトの冠動脈から得られた血管内皮細胞をLDL、HDL、TGの各々を添加するとICAM-1などの接着因子の発現が亢進とともに、血液凝固阻害因子であるplasmin ActivatorをinhibitするPAI-1の分泌が高まる知見を得た。更に興味あることは、"LDLよりもHDLによってPAI-1分泌が亢進する"という全く新しい結果を得た。 3.ApoE^<-/->/iNOS^<+/+>群ではAtheromaで著明なiNOSの誘導が見られた。Atheromaのサイズは両群で有意差は無く、NOによるレドックス制御機構はサイズに影響しないことが示唆された。しかし、Van Gieson染色によるコラーゲンが少なかった。また、Oil-red O染色で同様のAtheromaはLipid-richであった。コラーゲン量を減少させる主たるメカニズムとしてMatrix Metalloproteinase(MMP)の増加と活性亢進を考え、MMPをIn situ Zymmographyで評価した。同時にNOによるニトロ化反応を証拠としてニトロタイロシンの二重染色を行なったところニトロタイロシンはiNOS^<+/+>のみ染色され、ニトロタイロシンの存在部位とMMP(MMP-9を染色)染色部位は一致した。 《結論》 レドックス制御のメカニズムが心・血管系の病態に深く関わることが示された。
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