研究課題/領域番号 |
15390075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三輪 聡一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40157706)
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研究分担者 |
服部 裕一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50156361)
滝川 修 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70163342)
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キーワード | エンドセリン / 血管平滑筋 / 収縮 / 受容体作動性カルシウムチャネル / cDNAクローニング / アフリカツメガエル卵母細胞 / カルシウム取り込み |
研究概要 |
本研究の目的は、強力な血管収縮性ペプチドであるエンドセリン(ET)の受容体刺激により活性化されるCa^<2+>透過性チャネル分子群のcDNAクローニングを行い、その構造および機能を解明することにある。この目的のために、アフリカツメガエル卵母細胞を用いた発現クローニング法を用いる。卵母細胞には、組み換えET受容体cRNAおよび血管平滑筋から精製したmRNAを微量注入して、^<45>Ca^<2+>の単一卵母細胞への取り込みをスクリーニング系として用いることにした。この系では、ET受容体のみを発現した卵母細胞と、ET受容体とCa^<2+>透過性チャネルを発現した卵母細胞への^<45>Ca^<2+>取り込みの差を検定することになる。初期のスクリーニングでは、受容体とCa^<2+>透過性チャネルを発現した卵母細胞への^<45>Ca^<2+>取り込みの増加分は、受容体のみを発現した卵母細胞に比べ、10%前後と小さいことがわかった。さらに、微量注入という操作自身により卵母細胞の約半数が様々な程度に傷害を受け、その結果^<45>Ca^<2+>取り込みが起こり偽陽性となることもわかった。そこで、この細胞傷害による^<45>Ca^<2+>取り込みとチャネルを介した^<45>Ca^<2+>取り込みの両者を判別する方法を開発するために、傷害された細胞に特異的に取り込まれるプローブを検索した。このような化合物として、^3Hラベルされたイヌリン、p-アミノ馬尿酸、UDP-N-アセチル-D-グルコサミン、スペルミジン、チミジン、受容体リガンド(プラゾシン、スピペロン、ケタンセリン)、アミノ酸(ロイシン、アラニン)などを検討した。その結果、前3者は正常な卵母細胞には取り込まれず、傷害された卵母細胞にのみ取り込まれることがわかった。そこで、実験に際して、[^3H]イヌリンを使用したところ、傷害された卵母細胞を同定できるため、正確なスクリーニングを行うことが可能になった。現在、この方法を用いて、スクリーニングを進めている。
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