研究分担者 |
山下 康子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (80291532)
片峰 茂 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40161062)
西田 教行 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (40333520)
片岡 泰文 福岡大学, 薬学部, 教授 (70136513)
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研究概要 |
PrP106-126は低濃度で特異的に血液脳関門in vitro再構成系(BBBキット)でP-糖タンパク機能を障害するが、ペントサンポリ硫酸(PPS)は、ヘパリンとその低分子体に比較して顕著な治療効果を示した。PrP106-126100mMを作用させてBBB細胞株GP8.3単層培養系でのP-糖タンパク(MDR1)などのmRNA発現を観察したところ、mdr1b, mdr2,mrp-1遺伝子,Prnp, G3PDHmRNAsは変化はなかったが、10mMから用量依存的にmdr1 amRNAの発現を著明に抑制した。PPSは50mMの濃度から用量依存的にPrPSc高産生細胞株GTFKのPrPSc産生を抑制した。PPSは、BBBキットの膜電気抵抗(TEER)を20μg/mlの最小濃度から200μg/mlまで最大140%増大した。このPPSによるTEERの増大はBBB機能を維持するTJ構成タンパク質claudin-5の発現高進を伴っていた。verapamilによるP-糖タンパクの抑制に対しては効果を観察出来なかった。ヒト神経芽細胞由来細胞株(SKNSH SY5Y)によるβ-amyloid前駆タンパク(APP)分泌能を指標に抗アミロイド活性を検定したところ、PPSは著明にAPP分泌能を抑制した。4 vessels occlusionラットモデルの海馬CA1領域錐体細胞は、7分総頚動脈結紮の虚血再還流で約50%から60%の神経細胞死が観察されるが、PPS-Ca 3mg/kgを再還流直後に静脈内投与すると有意にその脱落する割合が減少した。in vitroプリオン病であるハムスター型プリオンタンパク発現遺伝子改変マウスTg7に1%263K脳乳剤を脳内に接腫し接腫後同様にPPSを4週間投与しマウスが死亡するまでの潜伏期間変化を観察したところ、PPS群で延命効果が観察された。
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