研究概要 |
未分化なマウス網膜を抗体を使って表面抗原の発現によりセルソーターを用いて分離し、これを網膜explant培養系、再凝集系培養系に移植し、増殖能、分化能を観察する、というやり方で、未分化網膜の指標となる表面抗原を探索した。その結果、約120種類の抗体の中から、SSEA-1,c-kitに対する抗体が効率良く未分化な網膜細胞を標識することを見いだした。また他の数個の抗体が分化した網膜の指標となることを見い出し、網膜細胞系譜の決定を行なうと同時に表面抗原をマーカーとして細胞を単離して移植、再生を行う系を確立した。一方でSP(Side population)については網膜ではその出現が一定せず、未分化細胞の指標とは現在のところなりえないと考えている。 また網膜細胞の成熟の指標として電気生理的手法を取り入れることを計画したが、まずカルシウムの流入によりカルシウムチャネルが存在するかどうかについて検討を開始した。マウスの胎生16日から生後10日目までの胎児由来の網膜を培養皿に蒔いた状態でのカルシウムの濃度測定の条件を確立した。
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