研究課題
基盤研究(B)
核内レセプターによる胆汁酸代謝調節機構の解明を目的として、胆汁酸代謝系と脂質及び脂溶性ビタミンの代謝系のクロストークという観点から研究を行い次の成果を得た。1.新規リガンドの同定(1)胆汁酸、脂質及び脂溶性ビタミンに応答する核内レセプターに対する新規リガンドの探索を行い、植物ステロールの誘導体がLXRのリガンドとして作用することを見いだした。エルゴステロールの誘導体が効果的にLXRα及びLXRβを活性化し、マウスにおいて小腸選択的に作用することを明らかにした。(2)VDRとリトコール酸との構造活性相関の解析の結果、リトコール酸よりも30倍以上効果的にVDRを活性化する誘導体リトコール酸アセテートを見いだした。この誘導体はFXRやPXRにほとんど作用せず、VDRに選択的な胆汁酸であった。(3)胆汁酸に反応する核内レセプターの活性化調節機構の解析において、二次胆汁酸によるVDRの活性化が、膜Na^+,K^+-ATPase阻害剤によって促進されることが明らかになった。膜シグナルと胆汁酸受容体との機能連関を示している。(4)胆汁酸受容体のヘテロ二量体パートナーであるRXRのリガンド反応性を様々な合成リガンドを用いて検討した結果、ヘテロ二量体特異的なリガンドが存在することが明らかになった。未同定のRXRリガンドが生体内で胆汁酸受容体の機能を調節する可能性を示唆している。2.標的遺伝子の発現変化の解析胆汁酸代謝に関連する核内レセプターの他の転写因子系に対する効果を検討した結果、LXRが、腸管粘膜細胞の増殖やがん化と関連するβ-カテニンの転写誘導活性を抑制することが明らかになった。食事性脂質と細胞増殖シグナルとの機能連関を示している。3.in vivoでの解析総胆管結索による胆汁うっ滞モデルマウスを作成し、各種臓器における胆汁酸受容体の標的遺伝子発現を解析した。腎臓における骨代謝関係のVDR標的遺伝子RANKLの発現増加など、胆汁うっ滞の病態との関連性を示唆する所見が得られた。
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