研究課題/領域番号 |
15390111
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松原 洋一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209602)
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研究分担者 |
青木 洋子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80332500)
鈴木 洋一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80216457)
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10205221)
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キーワード | 遺伝子診断法 / 遺伝子変異 / 遺伝子多型 / 薬物代謝酵素 |
研究概要 |
本研究の目的は、私たちが独自に考案したCASSOH法を用いて、ベッドサイドで簡便・迅速にsingle nucleotide polymorphism(SNP)が検出できる遺伝子診断法を開発し、その臨床応用を検討することである。本年度は、以下のような研究を行った。1.CASSOH法の技術的改良。原法では、それぞれの置換塩基に対応する2種の反応を個別に行う必要がある。そこで、核酸の標識分子を2種類とし、夫々の標識分子に対する抗体を用いることによって反応系を1つに統合し、single tubeでの遺伝子型判定を可能とするために、基礎的な検討を行った。次に、検体試料として、微量の全血を直接反応系に加えて用いることに成功し、前段階としてのDNA抽出を省略することが可能となった。2.定温度核酸増幅法の検討。原法では、PCR法による目的遺伝子の増幅を行った後に、遺伝子型判定を行っていた。しかしながら、外来・ベッドサイドでの診断にあたっては、PCR機器がない環境でも遺伝子判定を行なえることが望ましい。そこで、定温度遺伝子増幅法として開発されたLAMP法を検討して、CASSOH法と組み合わせることが可能であることを確認した。3.臨床応用の検討。薬物代謝酵素遺伝子多型と単一遺伝子病における高頻度点変異を対象にした遺伝子検査を確立した。具体的には、薬物代謝酵素多型(CYP2C9・CYP2C19・TPMY・NAT2)、薬物標的分子多型(アミノグリコシド系抗生剤によって難聴をひきおこすミトコンドリアA1555G変異)、高頻度変異が報告されている単一遺伝子病(糖原病Ia型、高グリシン血症、Tay-Sachs病、Gaucher病)について検査法を確立した。本手法は、ヒトゲノム解析研究の成果を臨床に還元するにあたって重要な役割を果たすものと予想される。
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