研究課題/領域番号 |
15390128
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
下川 功 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70187475)
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研究分担者 |
山座 治義 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30336151)
樋上 賀一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90253640)
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キーワード | 老化 / 長寿 / カロリー制限 / インスリン / 成長ホルモン / インスリン様成長因子 / ストレス応答 / エネルギー代謝 |
研究概要 |
1.実験動物の維持と各研究者への供給:施設内において、GH-IGF-1抑制ラット、カロリー制限ラット、対照ラットを維持し、各研究者へ実験動物(6〜24ヶ月齢)を供給した。 2.インスリン/IGF-1系シグナル伝達分子とリン酸化状態の比較:カロリー制限、GH-IGF-1抑制ラットでは、糖負荷後、血中のインスリンが有意に上昇しないが、耐糖能には異常がない。この現象にともなうインスリン受容体、下流分子の活性化(リン酸化)状態を肝、筋肉で検討し、実際にインスリンシグナル系が対照群に比べ、活性化されていないことを確認した。次に、グルコース代謝のインスリン非依存性経路として、Adiponectin-AMPキナーゼ(AMPK)系を検討したが、GH-IGF-1抑制ラット、カロリー制限ラットでは、adiponectin-AMPK経路の活性化は有意に起こってはおらず、他に経路が存在することが示唆された。現在、プロテオーム解析技術を用いて、インスリン非依存性経路を解析している。 3.ストレス応答:GH-IGF-1抑制ラット、カロリー制限ラットが示す、ストレス耐性に、転写因子のcofactorであるPGC-1aの誘導が重要であることを明らかにした。現在PGC-1aのアンチセンスオリゴヌクレオチドを動物に導入し、PGC-1aの役割を確認している。 4.ミトコンドリアにおけるエネルギー代謝とストレス応答の相違:炎症ストレスに対するミトコンドリアのbiogeesisに関連する遺伝子群の発現をGH-IGF-1抑制ラット、カロリー制限ラットで比較検討中である。予備的な結果として、3でみとめられた転写因子cofactorrであるPGC-1aが重要な因子であることが示唆された。
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