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2005 年度 実績報告書

老化に伴い出現する免疫抑制性CD4T細胞の抑制機能を阻害する分子の同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15390132
研究機関国立長寿医療センター(研究所)

研究代表者

清水 淳  国立長寿医療センター, (研究所)・老化機構研究部・免疫研究室, 室長 (60291134)

キーワード老化 / CD4T細胞 / 免疫抑制
研究概要

免疫系細胞の一種「CD4T細胞」は、老化に伴い著しい低応答性状態に陥る傾向にある。我々は、老齢マウス由来CD4T細胞を単一集団として捉えるのではなく、2種類のマーカーを用いることにより、老齢マウス由来CD4T細胞を3つの機能的集団に分け得ることを示した。即ち、若齢時と同程度の機能を維持している集団、著しい低応答性状態に陥っている集団、そして若齢時には存在しなかった免疫抑制性CD4T細胞集団である。更に、この老齢時特有の免疫抑制性CD4T細胞の抑制機能を阻害する抗体を樹立し、抗体の認識分子はCD45分子であることを明らかにした。
上記抗体は、免疫抑制性CD4T細胞の抑制機能を阻害するのみならず、正常CD4T細胞の活性化を増強する作用のあることが明らかになった。抗体の存在により、通常より長期に渡りIL-2mRNAの転写が誘導され、結果的に大量のIL-2蛋白が産生されていることが明らかになった。CD45分子からIL-2の産生に繋がる分子の同定を試みている。
また若齢マウスを抗原で免疫する際、上記抗体を同時に投与するとその後の免疫誘導効率が格段に上昇することが明らかになった。一方、老齢マウスにおいては同様の免疫操作および抗体の併用においても、全く抗原に対する免疫応答が誘導されていなかった。固体レベルでの老齢時の免疫応答の低下を改善できる抗体の樹立を検討している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Control of autoimmune myocarditis and multi-organ inflammation by GITR^<high>, Foxp3-expressing CD25^+ and CD25^- regulatory T cells2006

    • 著者名/発表者名
      Ono, M.
    • 雑誌名

      J.Immunol. (In press)

  • [雑誌論文] CD4^+CD25^+Foxp3^+ T cells and CD4^+CD25^-Foxp3^+ T cells in aged mice2006

    • 著者名/発表者名
      Nishioka, T.
    • 雑誌名

      J.Immunol. (In press)

  • [雑誌論文] Cross-linking of CD45 on suppressive/regulatory T cells leads to the abrogation of their suppressive activity in vitro.2005

    • 著者名/発表者名
      Shimizu, J.
    • 雑誌名

      J.Immunol. 174

      ページ: 4090-4097

  • [雑誌論文] Treatment of advanced tumors with agonistic anti-GITR mAb and its effects on tumor-infiltrating Foxp3^+CD25^+CD4^+ regulatory T cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Ko, K.
    • 雑誌名

      J.Exp.Med. 202

      ページ: 885-891

  • [雑誌論文] 加齢と免疫.「わかりやすい免疫疾患」生涯教育シリーズ672005

    • 著者名/発表者名
      清水 淳
    • 雑誌名

      日本医師会雑誌特別号

      ページ: S106-S110

  • [雑誌論文] The capacity of the natural ligands for CD28 to drive IL-4 expression in naive and antigen-primed CD4+ and CD8+ T cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Bian, Y.
    • 雑誌名

      Int.Immunol. 17

      ページ: 73-83

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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