研究課題
基盤研究(B)
ブタT細胞抗原受容体δ鎖(TCRδ)のコモンフレ「ムワークに対するモノクローナル抗体7G3を樹立したが、すでに確立されていた数種の同様抗体との比較の結果、フローサイトメトリーでの蛍光強度、凍結切片における反応性、抗原分子の生化学的解析のいずれの場面においても他の抗体よりも優れていることが判明した。また、ブタCD8に対するモノクローナル抗体も同時に樹立したが、この抗体も市販のものより、凍結切片における反応性で優れていた。T細胞は免疫反応における中心的な役割をはたすが、ブタではT細胞受容体関連遺伝子の同定および解析は十分には進んでおらず、認識システムがヒト、マウスと比較してどの程度の相同性があるのかが明らかでなかった。ブタを再生医学研究に利用するためには、この認識システムを明らかにすることが必要不可欠である。そこで、本研究では、T細胞受容体Ja鎖遺伝子セグメントの利用のされかたについて解析した。その結果は、ヒトの場合とほぼ同様であることが判った。また、T細胞受容体a鎖cDNAを網羅的に解析し、CDR3領域の多様性を調べた。その結果、4〜14アミノ酸の範囲で変化し、平均鎖長は、9.35であった。因みに、ヒトでは7〜13アミノ酸の範囲で変化し平均鎖長は、10.2と報告されている。また、T細胞受容体a鎖cDNAの網羅的解析から、T細胞受容体a鎖遺伝子は少なくとも33個あることが判った。さらに、本研究ではT細胞受容体複合体関連遺伝子である、T細胞受容体CD3x鎖及びh鎖遺伝子について解析した。CD3x鎖のアミノ酸配列は、ブタ、マウス、ヒト間で相同性が高かったが、CD3h鎖は種間でかなり異なっていることが判った。
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Cytogenetic and Genome Research (印刷中)
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Cytogenetic and Genome Research (in press)