研究課題
基盤研究(B)
トキソプラズマ感染によりVh1-JHIB-1細胞による抗HSP70自己抗体産生が認められる。このHSP70自己抗体は宿主免疫反応を抑制することが示された。B細胞の活性化分子としてトキソプラズマ由来ストレス蛋白HSP70(TgHSP70)であり、Toll-like receptor 4(TLR4)依存性MyD88非依存性シグナル系による活性機序によることが明らかになった。TgHSP70はトキソプラズマ急増虫体に発現される毒性分子であるが、トキソプラズマ感染により誘導されたマクロファージのNO産生を抑制することが示された。このTgHSP70によるNO産生抑制はTLR2依存性シグナルで惹起されることが示された。そこで、TLR2欠損マウス、TLR4欠損マウス、MyD88欠損マウス、および野生型マウスを用いたトキソプラズマ感染実験の結果、MyD88欠損マウスは少数(10シスト以下)感染で、TLR2欠損マウスは高濃度(300シスト)感染で感染死したが、野生型およびTLR4欠損マウスは感染死しなかった。さらに、自己免疫疾患全身性エリテマトーデスのマウスモデルである(NZB x NZW)F1マウスにトキソプラズマを感染させるとその発症が抑制されることが示された。トキソプラズマ感染により抗DM自己抗体産生が抑制され、蛋白尿の改善、ループス腎炎発症が抑制されることが示された。さらにはTLR2欠損マウスでは免疫複合体沈着による腎炎を発症することが明らかになった。これらの結果からくトキソプラズマの毒性分子TgHSP70はTLR2およびTLR4に対するligandとして機能しB細胞による抗HSP70自己抗体産生誘導やマクロファージによるNO産生統御、さらには自己免疫発症の統御や腎炎発症を制御することが示され、トキソプラズマ由来TgHSP70に対する自然免疫に機能するTLRとB細胞の抗体産生による獲得免疫がトキソプラズマ症の病態形成に重要な役割を演じていることが示された。
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