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2004 年度 実績報告書

RND型排出システム群の生体内作動を基盤にした緑膿菌多剤耐性および病原性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15390146
研究機関京都薬科大学

研究代表者

後藤 直正  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30121560)

研究分担者 西野 武志  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (50097838)
キーワード緑膿菌 / マルチコンポーネント型RND排出システム / 抗菌薬耐性 / 病原性 / Pseudomonas aeruginosa / RND multicomponennt-type efflux system / antibiotic resistance / patogenicity factors
研究概要

院内感染の起因菌であり、抗菌薬多剤耐性化が問題となっているグラム陰性菌の緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の感染症を克服することを目的として本菌染色体上にコードされた12種類のRND排出システムの機能および発現の簡易検出法について研究し、下記の結果を得た。
1)12種類の排出システムのノックアウト株を作成し、さらにRND排出システム遺伝子群をクローン化することにより、高発現システムを構築した。
2)12種類の排出システムのノックアウトにより、抗菌薬耐性度の減少が観察された。
3)12種類の排出システムのノックアウトは、クォーラムセンシングに関与するオートインデューサー化合物の細胞外輸送の減少および緑膿菌の病原因子(運動性、プロテアーゼ、エラスターゼ)の減少をもたらした。さらに、in vitro内因感染症モデルであるMDCK細胞モノレイヤ透過実験での透過性の減少も引き起こした。
4)RND排出システムの阻害化合物を利用し、ディスク法を応用してRND排出システムの発現を簡便迅速に検出する方法を考案した。
以上の結果から、12種類のRND排出システムは、抗菌薬耐性のみならず、本菌の細胞間情報伝達機構であるクォーラムセンシングに関与し、さらにその結果、本菌の病原性発現に影響することが明らかとなった。これらの知見から12種類のRND排出システムの阻害や発現の制御によって本菌感染症の克服が可能であることが示唆された。また、ディスク法を応用したRND排出システムの発現を簡便迅速検出法によって臨床検査レベルでの耐性菌の出現状況についてのサーベイランスを容易にするものと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 細菌のマルチコンポーネント型RND異物排出システム群の機能-抗菌薬耐性研究から病原因子産生制御機構研究へのプロローグ2005

    • 著者名/発表者名
      後藤直正
    • 雑誌名

      蛋白質 核酸 酵素 50

      ページ: 6-12

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 緑膿菌のエフラックスシステムとQuorum-sensing機構2005

    • 著者名/発表者名
      後藤直正
    • 雑誌名

      分子呼吸器病 9

      ページ: 22-25

  • [雑誌論文] 私たちの研究「奇妙なキノロン薬耐性現象、異物(抗菌薬)排出システム、そして緑膿菌」2004

    • 著者名/発表者名
      後藤直正
    • 雑誌名

      化学療法の領域 20

      ページ: 739-746

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 抗菌薬UPDATE細菌は抗菌薬(異物)排出システムで自己防衛する2004

    • 著者名/発表者名
      後藤直正
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 209

      ページ: 535-540

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Virulence of metallo-beta-lactamase-producing Pseudomonas aeruginosa in vitro and in vivo.2004

    • 著者名/発表者名
      Aoki, S.et al.
    • 雑誌名

      Antimicrob.Agents Chemother. 48

      ページ: 1876-1878

  • [雑誌論文] 会話する細菌-クォラムセンシング機構にみる微生物世界の不思議-緑膿菌のクォラムセンシングと異物排出システム2004

    • 著者名/発表者名
      後藤直正, 村田健
    • 雑誌名

      臨床と微生物 31

      ページ: 271-277

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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