研究課題/領域番号 |
15390149
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山西 弘一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10029811)
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研究分担者 |
近藤 一博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70234929)
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キーワード | サイトメガロウイルス / ヒトヘルペスウイルス6 / HCMV / HHV-6 / 潜伏感染 / 再活性化 / 潜伏感染遺伝子 / 前初期遺伝子 |
研究概要 |
共にβ-ヘルペスウイルス亜科に属する、サイトメガロウイルス(HCMV)やヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)の潜伏感染関連遺伝子を研究することにより、「再活性化が生じる可能性の高さ」を診断する原理と方法を開発し、「再活性化が生じる可能性の高い宿主の変化」の検出も試みることを目標とする。 本年度は、この計画に従って、以下の成果を得た。 1.β-ヘルペスウイルスの再活性化の第一段階の同定 潜伏感染からの再活性化の初期の状態を、in vitroおよびin vivoで検討した。この結果、HHV-6には、潜伏感染と再活性化の中間に比較的安定な中間状態が存在し、この状態における潜伏感染遺伝子の発現亢進が、再活性化の引き金になることを示した。さらに、サイトメガロウイルスにおいても同様の状態が存在することを示唆した。 2.再活性化に関わる遺伝子の機能解析 上記1の研究で同定した、再活性化時に働く潜伏感染遺伝子には、前初期遺伝子IE2のopen reading frameが含まれる。そこで、IE2の機能と宿主細胞との関係を検討するために、IE2に結合する宿主蛋白をYeast Two-hybrid法などを用いて検討した。その結果、IE2がHeterogeneous Ribonucleoprotein KおよびCasein Kinase 2に結合して機能することが判明した。 3.HHV-6の組み換えウイルスの作成 ウイルス遺伝子の機能は、遺伝子単独で作用させた時と、ウイルス内で働く時で異なることがある。このため、組み換えウイルスの作成は、ウイルス遺伝子の機能解析に必須である。これまでは、HHV-6の組み換えウイルスの作成は不可能であったので、HHV-6の組み換えウイルスの作成法を世界に先駆けて開発し、これを用いて、再活性化に関わる遺伝子の機能解析を進めている。
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