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2003 年度 実績報告書

免疫担当細胞の分化及び機能制御シグナルとLnkファミリーアダプター蛋白質

研究課題

研究課題/領域番号 15390157
研究機関東京大学

研究代表者

高木 智  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10242116)

キーワードアダプター蛋白質 / 細胞増殖 / シグナル伝達 / 肥満細胞 / アクチン細胞骨格 / リンパ球 / B細胞 / サイトカイン
研究概要

1、免疫系の恒常性維持におけるLnkファミリーアダプター蛋白質群の機能解明
LnkはAPSやSH2-Bとともにアダプター蛋白質ファミリーを形成する。Lnk欠損マウスではc-Kitシグナルの増強によるB細胞過剰産生がみられる。APSはc-Kitの基質として、SH2-BはFcεRIγ鎖に結合する分子として単離されている。これらのアダプター蛋白質群の肥満細胞における機能について、それぞれの遺伝子欠損マウスから骨髄由来肥満細胞(BMMC)を作製し検討した。Lnk欠損及びSH2-B欠損BMMCでは、増殖、細胞接着、脱顆粒反応のいずれにおいても正常BMMCと比べて差はなかった。APS欠損BMMCでは、増殖応答及び細胞接着は正常であったもののFcεRI架橋刺激による脱顆粒の亢進がみられた。Lnk及びSH2-Bの単独欠損では肥満細胞の増殖及び機能に障害は生じない。APSはFcεRIシグナルに関与し、抑制分子として機能すると考えられた。また、Lnkファミリー蛋白質群で重複する生理機能を明らかにするため、重複欠損マウスを作製し解析を開始した。
2、Lnkファミリーアダプター蛋白質群の作用発現の分子機構解明
Lnkを過剰発現させた細胞株ではアクチン細胞骨格に変化が生じ、細胞分裂や細胞遊走が阻害された。Lnkを過剰発現するトランスジェニックマウスB細胞では細胞径の増大とともに細胞周期の異常が観察された。アクチン細胞骨格系の制御につながるシグナル伝達系について解析し、LnkがVav、Rac、PAK、filaminと複合体を形成すること、アクチン重合に促進的に働くことを明らかにした。Lnkは増殖シグナル抑制とともにアクチン細胞骨格の制御にも関与し細胞分裂や接着・遊走を制御する可能性が示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Takaki, S.: "Impaired lymphopoiesis and altered B cell subpopulations in mice overexpressing Lnk adaptor protein."J.Immunol.. 170・2. 703-710 (2003)

  • [文献書誌] Minami, A.: "Increased insulin sensitivity and hypoinsulinemia in APS knockout mice."Diabetes. 52. 2657-2665 (2003)

  • [文献書誌] Nobuhisa, I.: "Regulation of hematopoetic development in the Aorta-gonad-mesonephros region mediated by Lnk adaptor protein."Mol.Cell.Biol.. 23. 8486-8494 (2003)

  • [文献書誌] Kubo-Akashi, C.: "Roles of a conserved family of adaptor proteins, Lnk, SH2-B, and APS, for mast cell development, growth, and functions."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 315. 356-362 (2003)

  • [文献書誌] Moon, B.G.: "Role of interleukin-5 in B-1 cell maturation for survival, homeostatic proliferation and differentiation into IgA-producing cells."J.Immunol.. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] Iseki, M.: "The negative regulatory role of APS, an adaptor molecule containing PH and SH2 domains, in B-1 cells and BCR-mediated proliferation."Mol.Cell.Biol.. (印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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