研究課題/領域番号 |
15390159
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
瀧 伸介 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50262027)
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研究分担者 |
肥田 重明 信州大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10345762)
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キーワード | 樹状細胞 / 免疫応答 / T細胞 / インターフェロン / 転写因子 / 遺伝子欠損マウス / 骨髄キメラ / NK細胞 |
研究概要 |
転写因子インターフェロン制御因子(IRF-2)を欠損するマウス(IRF-2^<-/->マウス)で観察される皮膚炎症やTh2シフトの機構を明らかにするために、本研究においては、まず免疫応答の開始に必須であるとともに、Th1/Th2バランスの調節にもきわめて重要である樹状細胞(DC)の性状を検討した。DCには、その細胞表面におけるCD4、CD8分子の発現によって、3つのサブセットが存在することが知られているが、IRF-2^<-/->マウスにおいては、CD4陽性のサブセットが激減していた。これは骨髄細胞におけるIRF-2の欠損によっていることが、野生型マウスにIRF-2^<-/->マウス骨髄を移入した骨髄キメラの実験によって明らかになった。また、表皮に存在するDCであるLangerhans細胞においても、そのCD4陽性サブセットが欠損していることも明らかとなった。IRF-2の一つの生理的機能は、我々が以前に明らかにしたように、I型インターフェロン(IFN-α/β)シグナルの負の制御であり、この機能の喪失がIRF-2^<-/->マウスにおける皮膚炎の発症機構に必須である。この機能と、今回明らかにしたDCの分化異常との関連を明らかにするために、IRF-2、IFN-α/β受容体二重欠損マウスを作成して検討したところ、CD4陽性DCはほぼ正常に復帰していた。したがって、皮膚炎同様CD4陽性DCの分化異常もまたIFN-α/βシグナルの過剰によっていることが明らかになった。一方、すでに知られているIRF-2^<-/->マウスにおけるナチュラルキラー(NK)細胞の分化異常は、該二重欠損マウスにおいても是正されず、したがって造血系細胞の分化におけるIRF-2の役割は単一ではないことが明らかになった。
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