• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

Tリンパ球分化における細胞移動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15390161
研究機関徳島大学

研究代表者

高浜 洋介  徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (20183858)

キーワードTリンパ球 / 細胞分化 / 胸腺 / ケモカイン / 器官構築 / CCR7 / 正と負の選択 / 胸腺髄質
研究概要

胸腺内Tリンパ球は、正の選択に伴う細胞分化に連動して皮質から髄質へ移住する。しかし、この細胞移動を制御機構は不明であった。我々はこれまで、Tリンパ球分化における細胞移動を経時的に直接可視化して追跡する動態解析技術を開発することで、正の選択に伴う皮質から髄質への細胞移動にはCCR7ケモカインが必須の関与を示すことを明らかにしてきた。そこで今年度は、CCR7とそのリガンドの欠損マウスを用いて、CCR7ケモカインを介した細胞移動制御が胸腺Tリンパ球の分化・選択にどのような意義を持つのか解析した。その結果まず、CCR7やそのリガンドの欠損マウスでも正の選択および全身性自己抗原に対する負の選択には異常がみられず、成熟Tリンパ球の成体胸腺からの移出も正常に起こることがわかった。すなわち、正の選択や胸腺移出をはじめ全身性自己抗原に対する負の選択は胸腺皮質で正常に起こり髄質への細胞移動は必要ないことが明らかになった。一方、CCR7シグナル欠損マウスの胸腺で成熟したTリンパ球は、自己免疫性涙腺炎を引き起こす活性を保持しており、組織特異的抗原に対する中枢性トレランスの獲得に不全があることが示された。これらの結果から、CCR7依存性胸腺内髄質移動が組織特異的抗原に対する中枢性免疫寛容の成立のために必須の意義を有することが明らかになった。以上、本研究により、古くから知られていた胸腺細胞の皮質から髄質への移動がケモカインレセプターCCR7とそのリガンドによって制御されていることが明らかになると共に、CCR7依存性胸腺内髄質移動が中枢性免疫寛容の成立のために必須の意義を有することが明らかになった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] IAN family critically regulates survival and development of T lymphocytes.2006

    • 著者名/発表者名
      Nitta T, et al.
    • 雑誌名

      PLoS Biology 4

      ページ: e103(1-13)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Journey through the thymus : stromal guides for T-cell development and selection.2006

    • 著者名/発表者名
      Takahama Y.
    • 雑誌名

      Nature Reviews Immunology 6

      ページ: 127-135

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Cellular and molecular events during early thymus development.2006

    • 著者名/発表者名
      Hollander G, et al.
    • 雑誌名

      Immunological Reviews 209

      ページ: 28-46

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] CCR7-dependent cortex-medullamigration of positively selected thymocytes is essential for establishing central tolerance.2006

    • 著者名/発表者名
      Kurobe H, et al.
    • 雑誌名

      Immunity 24

      ページ: 165-177

  • [雑誌論文] Controlling the thymic microenvironment.2005

    • 著者名/発表者名
      Gray D, et al.
    • 雑誌名

      Current Opinion in Immunology 17

      ページ: 137-143

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The role of CCL21 in recruitment of T precursor cells to fetal thymus.2005

    • 著者名/発表者名
      Liu C, et al.
    • 雑誌名

      Blood 105

      ページ: 31-39

  • [図書] Basic Cell Culture Protocols, Third Edition2005

    • 著者名/発表者名
      Ueno T, et al.
    • 総ページ数
      17
    • 出版者
      Humana Press, NJ, USA
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi