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2003 年度 実績報告書

CD4サイレンシングの分子機構とリンパ球分化におけるRunxの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15390162
研究機関九州大学

研究代表者

谷内 一郎  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (20284573)

研究分担者 畠山 鎮次  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (70294973)
嘉村 巧  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (40333455)
中山 敬一  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
中山 啓子  東北大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60294972)
キーワードCD4 / Runx / silencing
研究概要

本年度はリンパ球分化過程におけるRunx転写因子ファミリィーの機能解析を中心に行った。その中でも特に、Runx転写因子により遺伝子座が活性化される機構を、TCRβ遺伝子座をモデルに解析した。TCRβ遺伝子座領域の活性化に関与するエンハンサーとしては、Eβエンハンサーが同定されているのみであり、Eβエンハンサーの欠損によりTCRβ遺伝子座のVDJ再構成や転写活性化が見られないことより、EβエンハンサーはTCRβ遺伝子座の活性化に必須である。Eβエンハンサーには3個のRunx結合配列が存在し、これまでの実験よりその重要性が指摘されていた。本研究課題では、Eβエンハンサー内のRunx結合配列の機能をより生理的な条件で検討する為に、ES細胞を用いた遺伝子標的法を用いてEβ内のRunx結合配列に異なる3種の変異の導入を試みた。その内、2種の変異に関しては生殖細胞に導入され、遺伝子変異マウスが作製された。残る一つの変異は現在ES細胞の再インジェクションを行っている。また、Eβエンハンサーを2個のloxP配列で挟み、Creタンパクの発現により、Tリンパ球の分化段階特異的にEβエンハンサーを欠損させる事の出来る遺伝子変異マウスも作製した。これら変異マウスの解析を行い、以下の事を明らかにした。
1.Eβエンハンサー内のRunx結合配列は機能的相補性を持つ事。
2.2つのRunx結合配列に変異を導入するとEβエンハンサーの機能は消失し、Runx結合配列はEβエンハンサーの機能に必須であること。
3.CD4^+CD8^+DP胸腺細胞以前でのEβの欠損と成熟T細胞におけるEβの欠損はTCRβの発現に対する影響が異なり、EβエンハンサーのTCRβ遺伝子座の活性化維持における役割はTリンパ球の分化段階で異なる事。
4.成熟T細胞におけるEβの欠損では、TCRβの発現は斑状に減少し、クロマチン構造の維持にEβの機能が重用であり、HDACの阻害剤投与によりTCRβの発現が維持される分画が増える事より、ヒストンの脱アセチル化に対してEbエンハンサーが拮抗的に作用する事。
今後より詳細にこれらマウスを解析し、生化学的な解析を加えクロマチン構造の就職がと遺伝子発現維持に果たす役割を検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ichiro Taniuchi: "The CD4/CD8 Lineage Choice : New Insight into Epigenetic Regulation during T Cell Development"Advances in Immunology. in press. (2004)

  • [文献書誌] Ichiro Taniuchi: "Gene Silencing by Runx Proteins"Oncogene. in press. (2004)

  • [文献書誌] 谷内 一郎: "遺伝子発現制御と胸腺細胞分化"Molecular Medicine 臨時増刊 免疫2004. 40. 23-31 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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