研究課題/領域番号 |
15390163
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
羅 智靖 日本大学, 医学部, 教授 (60230851)
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研究分担者 |
鈴木 良弘 日本大学, 医学部, 助手 (80206549)
下川 敏文 日本大学, 医学部, 助手 (10339327)
高橋 恭子 日本大学, 医学部, 助手 (70366574)
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キーワード | マスト細胞 / FcεRI / Toll-like receptors / アレルギー / 自然免疫 / 活性酸素 |
研究概要 |
1.高親和性IgE受容体(FcεRI)β鎖による抑制性シグナルの分子的解析 β鎖ITAM変異体では、NF-κBおよびERK、p38MAPKの活性化が亢進していることが明らかになった。また、β鎖細胞内ドメインC末端側の6アミノ酸残基から成る領域は、マスト細胞の活性化を正に制御していることが明らかになった。β鎖ITAM変異体Tgは引き続きβ鎖欠損マウスとの掛け合わせを進めている。 2.活性酸素によるマスト細胞活性化調節機構の解明 FcεRIの凝集によって惹起されるH_2O_2産生におけるリピッドラフトの関与を解析したところ、抗原刺激によるH_2O_2産生に伴って、FcεRIβ鎖,Lyn, LATがリピッドラフトのより高密度画分にシフトし、H_2O_2産生はリピッドラフト構造の破壊によって著しく低下することがわかった。FcεRIβ鎖ならびにLATを介さないでマスト細胞を活性化するthapsigargin刺激では、これらの現象はみられなかった。これらの結果から、リピッドラフトがFcεRIの凝集によるH_2O_2産生に関与することが示唆された。 3.FcεRIβ鎖遺伝子の発現制御機構の解明 平成15年度に、転写因子MZF-1が第4イントロン中のエレメントを介してヒトFcεRIβ鎖遺伝子の発現を抑制することを明らかにした。yeast two hybrid法によりヒトcDNAライブラリーから単離・同定したMZF-1結合因子のうち、FHL3がMZF-1と結合して抑制性の補因子として機能することを明らかにした。さらに、MZF-1/FHL3複合体によるβ鎖遺伝子の発現抑制がGM-CSF存在下で増強される可能性を示した。 4.マスト細胞におけるToll-like receptors(TLR)を介したシグナル伝達機構 LPSによるTLR4を介したマスト細胞の活性化において、PKR(dsRNA-activated protein kinase)を介した経路が、MyD88を迂回するシグナル伝達に深く関与していることを明らかにした。
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