研究課題/領域番号 |
15390164
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
竹森 利忠 国立感染症研究所, 免疫部, 部長 (60114295)
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研究分担者 |
高橋 宜聖 国立感染症研究所, 免疫部, 研究員 (60311403)
藤猪 英樹 国立感染症研究所, 免疫部, 研究員 (50356250)
橋本 修一 国立感染症研究所, 免疫部, 研究員 (60342896)
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キーワード | SMN exon7 / 変異マウス / 胚中心B細胞 / 記憶B細胞 / 長期生存抗体産生細胞 / アポトーシス |
研究概要 |
T細胞依存性抗原で刺激され活性化されたB細胞は胚中心を形成し、ここで高親和性記憶B細胞が産生される。産生された記憶B細胞は胚中心を離れ、長期の寿命を持って体内に維持され、二次免疫応答で迅速に抗体産生細胞に分化すると考えられている。しかし、長期生存維持を司る分子機構は不明で、また、記憶B細胞の正確な組織局在やホーミングを司る分子は同定されていない。我々はこれまでに記憶B細胞で発現増強する遺伝子のクローニングを行ない、記憶B細胞で発現増強する多数の細胞内、細胞表面蛋白の遺伝子を同定した。解析の結果ヒト脊髄筋萎縮症の原因遺伝子であるSMN1遺伝子のマウスホモログが記憶B細胞及び胚中心B細胞の細胞質/核に強発現し、試験管内で誘導されるアポトーシスを抑制する可能性が示唆された。そこで、SMNの機能発現に必要と考えられているC末端領域をIgG1陽性B細胞特異的に欠損する変異マウスを作製し、このマウスをNP-CGで免疫しその後のB細胞反応を解析した。この結果、SMNexon7は胚中心B細胞及び記憶B細胞の産生維持に必要であることが明らかにされたが、長期生存抗体産生細胞の維持には大きな影響を与えないことが示唆され、SMNexon7以外の領域もSMNの機能発現に必要である可能性が示唆された。一方試験管内での過酸化水素添加で誘導されるB細胞株のアポトーシスはSMN発現により抑制されるが、その効果はexon7よりもexon6に依存するが、抗IgM依存性アポトーシスへの抵抗性はexon7に依存することを我々は見出した。これらの結果はSMNは異なったドメインを介して多様な機能をB細胞に賦与する可能性が示唆された。/705字
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