研究課題/領域番号 |
15390169
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
宇田 淳 広島国際大学, 医療福祉学部, 助教授 (70309673)
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研究分担者 |
河口 豊 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (10009532)
渡邉 一平 広島国際大学, 医療福祉学部, 助教授 (50147162)
笹川 紀夫 広島国際大学, 医療福祉学部, 助教授 (00252908)
北野 幸子 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (90309667)
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キーワード | 地理情報システム / 地域計画 / 施設配置 / シミュレーション / 保健・医療・福祉 / 需要 / 供給 |
研究概要 |
本研究課題は、本年度をもって、終了した。結果として、次のようなことが言えた。 1.幼稚園・保育所を事例として、単純にボロノイ分割し解析した。そのサービス需要量は、各施設点の需要量を独立変数として取り扱うことで結果を得ることができた。各施設の需要量が非独立である場合には到達移動距離の分布について、モデル化することの必要性が認められた。 2.医療・福祉施設を事例として、地理情報システムを用いて平面上の施設配置は到達移動距離の密度分布を描画し、その性質を表示できた。より一般的な知見を得るためには、標高、冬場の雪によるアクセシビリティの変化などを解析可能な関数として与える必要がある。ただし、アクセシビリティでは、標高座標を加味することが可能であるが、実データでの検証には至らなかった。 3.本研究では、単一施設配置についてのシミュレートは検証できたが、複数施設の配置を検討する場合、どのような配置が需要量の不確実性に対して正当性のある変数を明らかにする必要が認められた。単一配置の場合、利用者圏域から施設配置を行うなど、需要量及びその予測精度が時系列的に変化する動的な施設配置問題を考えることが可能である。 4.施設配置は、様々な要素が不確実性を有するものとして考えられる。複雑な施設配置問題に対応するためには、不確実な要素を複数取り込むと同時に、各要素間の関係性について明らかにする必要がある。この関係性を整理した場合、地理情報システム上での可視化は可能である。また、中山間地域における包括ケアシステムの要件整理としての地理情報システムの活用は、簡便といえた。一方、都市部では、情報量の多さから、施設配置の評価の要件整理ができなかった。 5.震災や景気の変動など、都市構造や施設形態に変化を来す不確実性を考慮した施設配置の性質を明らかにすることは長期的な施設計画シミュレートにおいて重要な課題といえた。
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