研究課題/領域番号 |
15390176
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
岸 裕幸 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (60186210)
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研究分担者 |
近藤 佐千子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (80361955)
村口 篤 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (20174287)
北島 勳 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50214797)
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キーワード | マイクロウェル / アレイ / チップ / Bリンパ球 / 抗体 / カルシウム |
研究概要 |
我々はマイクロウェルアレイチップを用いた抗原特異的リンパ球および抗原受容体遺伝子の同定法の開発を行っている。すなわち、リンパ球がちょうど1個入る大きさおよび形状のマイクロウェルを規則正しく配置したマイクロウェルアレイチップを富山県工業技術センターの協力を得て作成した。そのマイクロウェルにBリンパ球を播種し、抗原で刺激後、抗原により活性化され細胞内カルシウム濃度が上昇する細胞を蛍光スキャナーで検出する。次に、活性化されたBリンパ球をマイクロマニピュレータを用いて回収し、RT-PCR法を用いて抗体遺伝子を増幅することにより抗原特異的抗体遺伝子を得る。 マイクロウェルアレイチップには約25万ウェルのマイクロウェルが配置されている。まず、マイクロウェルアレイチップ上のマイクロウェルに効率よくリンパ球を導入する方法を検討した。添加する細胞の密度、チップ上のマイクロウェルの密度の影響を検討した結果、細胞の密度が高いほど、またマイクロウェルの密度が高いほど細胞のウェルへの充填率が向上することがわかった。 次に、マイクロウェルの形状が細胞のウェルへの充填率にどのような影響を与えるかを検討した。その結果、マイクロウェルの直径はBリンパ球の直径より少し大きいくらいで、深さはリンパ球の直径の約1.5倍くらいが細胞が入りやすく、また、細胞の回収も行いやすいことがわかった。 さらに、細胞をマイクロウェルから回収するに際し細胞のアドレスを明らかにする工夫を行った。これはマイクロウェルアレイチップ上に蛍光標識したマーカーを置くことにより解決した。これにより、蛍光スキャナーで活性化リンパ球を検出する際にマーカーの蛍光も検出することにより活性化リンパ球がどのマイクロウェルに入っているかを同定できるようになった。 現在、抗原で刺激し活性化されたBリンパ球の細胞内カルシウム濃度の上昇をカルシウム依存性蛍光色素を用いて検出しているが、S/N比が悪いため、それを向上させるべく、用いる試薬等の比較検討を行っている。
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