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2004 年度 実績報告書

アジア途上国における環境汚染の生態学的把握と小児への曝露-影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 15390186
研究機関東京大学

研究代表者

渡辺 知保  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70220902)

研究分担者 大塚 柳太郎  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60010071)
キーワード複合汚染 / 小児影響 / 曝露評価 / 有機りん系農薬 / 行動空間調査 / スポットチェック法
研究概要

本年度は,昨年度調査を実施したインドネシア西ジャワの1河川流域の3ヶ村(コメ農村,野菜農村,ダム湖岸村)で得られた生体試料の分析を実施するとともに,その結果を踏まえて再び同地域において調査を実施し,曝露のリスク要因行動を検討した.
・昨年度調査(平成15年9-10月実施)で集めた学童の尿(7-8才)について,富山衛生研究所に依頼し,有機リン系農薬代謝物(DMP, DEP, DMTP, DETP)を測定した.その結果4種類の代謝物全てを検出することができ,対象全体(n=198)における検出率は代謝物によって異なり,17〜30%であった.DEPを除く3種類の代謝物についてはダム村において,DEPはコメ農村において,それぞれ最も頻繁に検出された.当初,農薬が最も頻繁に使用されていると想定された野菜農村での検出が最も低かった.ダム村での高頻度検出は,同村における血中AChE活性の軽度の低下と対応するものと思われた.聞き取り調査の結果から,地下水を飲料水として利用する群,あるいは魚の消費量が多い群,水田地域を遊び場としている群で,それぞれ代謝物の検出率が高いという傾向が示唆された。
なお,尿試料中の金属についても解析を進めている.
・以上の結果を踏まえ,本年度調査(平成16年12月実施)では,スポットチェック法を用いて子供の行動の空間的広がりを把握するとともに,昨年度対象児童について,今回は母親とともに採尿を実施,汚染の疑われる魚ならびに地下水・ダム湖水については,各村落でサンプリングを行い,農薬の使用・保管状況を小児への曝露という観点から調査した.今回収集した試料についても農薬・金属の分析を進める予定である,行動調査の結果では,対象学童の遊び場は比較的住居の近辺に限定され,田畑へ入り込む頻度は低いことが判明した.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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