研究課題/領域番号 |
15390188
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 佐賀大学(医学部) |
研究代表者 |
田中 恵太郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (50217022)
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研究分担者 |
桧垣 靖樹 佐賀大学, 医学部, 助手 (10228702)
原 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 助手 (90336115)
山本 匡介 佐賀大学, 医学部, 助教授 (00117285)
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キーワード | 肝細胞癌 / 肝癌対策 / HCV抗体スクリーニング / インターロイキン / 遺伝子多型 / 症例対照研究 |
研究概要 |
本研究では、佐賀県において1993年度より開始された抗HCV抗体スクリーニングが、実際に肝癌対策に貢献しているかどうかの評価を行う事を第一の目的とした。次に、慢性肝炎から肝硬変・肝癌への進展に関与する宿主要因(インターロイキン-1、インターロイキン-10、tumor necrosis factor-α、transforming growth factor-βなどの遺伝子多型)を症例対照研究の手法により検討する事を第二の目的とした。 まず、肝癌対策の評価として、平成13年度に佐賀市の肝疾患検診においてHCVキャリアと判定された者141名の内、調査への協力が得られた118名(協力率84%)について、精密検査受診の有無、受療状況等について面接調査を行った(佐賀市の保健師・看護師が担当)。この結果、検診時点で肝疾患未治療の者における精密検査受診率は78%であった。未受診の理由としては「忙しかった」という回答が最も多かった。通院中の者の受療状況としては、無治療(経週観察)が48%と最も多く、肝庇護療法(44%)がこれに次ぎ、インターフェロン投与を受けた者は6%であった。肝疾患検診受診時にGPT値が70以上であった者に限定してもインターフェロン投与率は10%であり、インターフェロン治療が必ずしも適切に行われていない可能性が示唆された。次年度は、平成14年度の佐賀市の肝疾患検診受診者を対象者に加えて再解析を行う。 次に、肝癌への進展因子に関する症例対照研究の進渉状況としては、平成16年2月までの時点で肝細胞癌患者(新患)217名、肝硬変患者71名、慢性肝炎患者308名の採血および面接調査(飲酒・喫煙習慣など)を完了した。DNA抽出および候補遺伝子の中でインターロイキン-1B(C-31T多型)の遺伝子型決定を並行して進めている。データ解析は次年度以降となる見込みである。
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