研究課題/領域番号 |
15390189
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上田 厚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10040198)
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研究分担者 |
原田 幸一 熊本大学, 医学部, 教授 (00094029)
大森 昭子 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (60040193)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | 職業関連アレルギー / 即時型アレルギー / 遅延型アレルギー / ミョーガアレルギー / ラテックスアレルギー / LLNA / GPMT / 症例収集調査 |
研究概要 |
本研究は、仮説的に設定した職業関連アレルギーの予防管理モデル、すなわち、(1)労働の現場のアレルギーの実態とアレルゲンの存在に関する産業医学的検討、(2)文献的考察、(3)発症の予知、(4)反応の予測、(5)許容濃度の設定に関する実験的検討、(6)医学的管理と作業現場の工学的改善を包括的、系統的に進める6つのステップからなる系統的な予防管理システムを検証することを目的としている。 そのため、われわれは、上記システムモデルの妥当性と有効性を、主としてハウスミョウガ栽培者のアレルギー性接触皮膚炎をフィールド事例として、検証を試みた。とくに、ステップ(3)〜(5)について、ミョウガ栽培従事者に見られる遅延型アレルギーの反応予測と抗原性評価に関する実験的手法の設定について、モルモットマキシミゼーションテスト(GPMT)とLLNA法を組み合わせたモデルを設定し、その有効性を確かめた。GPMTは、in-vivo手法であり、LLNAは、in-vivo+in-vitro手法であり、この両者の実験結果により、ミョーガ揮発性芳香成分であるLimonene-oxideとβ-phellandreneの抗原性が明らかにされた。これらの成績に当該3年間の疫学的文献的調査研究の手法(ステップ(1)、(2))と成果を加え、上記の系統的予防管理モデルの妥当性と有効性を明らかにすることが出来た。この成果は、日本衛生学会(大阪、2007年3月)にて特別報告として発表された。また、3年度に実施した職業関連アレルギーの国際シンポジウムの成果を、国際的に高い評価を受けている学術雑誌(IJPI)に問う雑誌編集委員の査読を受けた13の学術論文として掲載、刊行した。また、前年に引き続き症例収集調査(ステップ(2))を実施し、80例の収集事例をまとめて症例収集報告集第2集を刊行した。さらに、周辺疾患として、化学物質過敏症(シックハウス症候群)について、フィールド調査研究(症例研究および環境測定)を実施し、本症候群の本態的究明と予防管理を進めてゆくうえで、上記の職業関連アレルギーの系統的予防管理システムの手順に沿って、対応してゆくことが効果的であることが実証された。
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