研究課題/領域番号 |
15390192
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平柳 要 日本大学, 医学部, 助教授 (20189864)
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研究分担者 |
青木 和夫 日本大学, 理工学部, 教授 (70125970)
山口 喜久 日本大学, 医学部, 講師 (10060138)
亀井 聡 日本大学, 医学部, 助教授 (40142509)
谷島 一嘉 佐野短期大学, 学長 (40010029)
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キーワード | 動揺病 / 心拍変動 / 胃電図 / 自律神経 / 交感神経 / 副交感神経 |
研究概要 |
本研究は、顔面蒼白・冷汗・悪心・嘔吐と云った動揺病の自覚症状が現れる前に、どのような生体機能パラメータに、いつ頃から、どのような前兆が現れ始めるのかを明らかにし、さらに乗り物酔いの予防にはどのような方策が有効かを検討することを目的とする。そこで、白・黒の縦縞が交互に描かれた直径50cm、高さ50cmの円筒型回転ドラム装置を製作し、被験者の眼前約20cmで右回り回転するように配置し、15分かけて最大角速度60度/秒に達するようにコンピュータ制御可能なプロトコールで、動揺病を誘発するための視覚刺激負荷実験を行った。この誘発実験において、心拍数、呼吸数、心拍変動の高周波パワー(HF)、低周波パワーと高周波パワーとの比(LF/HF)、胃電図のピーク周波数が正常周波数帯(2〜4cpm)に入る時間割合(%NSW)や高周波数帯(4〜9cpm)に入る時間割合(%TG)をそれぞれ求めた。動揺病の症状発現とともに、心拍数や呼吸数は増加し、心拍変動のHFは減少するものの、LF/HFは症状発現から10分ほど後になって初めて増加した。胃電図の%NSWや%TGは有意な変化を示さなかった。これらの事から、乗り物酔い発症時の自律神経は、交感神経活動が亢進した状態ではなく、むしろ副交感神経(迷走神経)活動が抑制された状態にあると推測された。この自律神経機能の変化は乗り物酔いの症状が発現する前から起こっているため、乗り物酔い症状の発現前に何らかの方法で副交感神経(迷走神経)活動の抑制を補償すれば、自律神経機能のバランスの崩れを防止でき、結果的に乗り物酔いの発症を食い止められる可能性が示唆された。現在、リラックス効果が期待されるアミノ酸サプリメントのテアニン(theanine)やキサンチン誘導体のカフェイン(caffeine)を使って動揺病の発症を抑えられるかを検討している。
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