研究課題/領域番号 |
15390192
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平柳 要 日本大学, 医学部, 助教授 (20189864)
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研究分担者 |
青木 和夫 日本大学, 理工学部, 教授 (70125970)
山口 喜久 日本大学, 医学部, 講師 (10060138)
亀井 聡 日本大学, 医学部, 助教授 (40142509)
谷島 一嘉 佐野短期大学, 学長 (40010029)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 動揺病 / 乗物酔い / 心拍変動 / 自律神経 / 胃電図 / 交感神経 / 副交感神経 |
研究概要 |
本研究では、動揺病(乗物酔い)の自覚症状が現れる前に、どのような生体機能パラメータに、いつ頃から、どのような前兆が現れ始めるのかを明らかにし、さらに副作用が現れやすい酔い止め薬を使わずに、動揺病を予防するにはどのような方策が有効かについて検討した。ドライビングシミュレータや円筒型ドラム回転を用いた動揺病誘発実験で、多角的な生体機能の測定を行った。その結果、動揺病の症状発現とともに、心拍数や呼吸数が増加し、また心拍変動の高周波成分(HF)は減少するものの、低周波成分(LF)との比(LF/HF)は症状発現から10分ほど後になって初めて増加した。一方、胃電図には正常胃電図パターン(約3サイクル/分)から4〜9サイクル/分のtachygastriaと呼ばれる胃電図パターンへの移行は認められなかった。これらの事象から、動揺病発症時の自律神経は、交感神経活動が充進した状態ではなく、むしろ副交感神経活動が抑制された状態にあると推測された。この自律神経機能の変化は動揺病の症状が発現する前から起こっているため、動揺病症状の発現前に何らかの方法で副交感神経活動を高めてやれば、自律神経機能のバランスの崩れを防ぐことができ、結果的に動揺病の発症を抑えられる可能性がある。ある生薬などの組合せを用いることによって、副交感神経活動を高め、またセロトニン5-HT3受容体への刺激を抑えることによって、動揺病の悪心・嘔吐などの消化器症状を起こしにくくできると考えられた。
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