研究課題/領域番号 |
15390193
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
加瀬 哲男 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (10175276)
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研究分担者 |
宮川 広実 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 主任研究員 (10346207)
森川 佐依子 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 研究員 (40321939)
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キーワード | インフルエンザウイルス / 再感染 / 抗原変異 / 抗体上昇 / クローニング / ポピュレーション |
研究概要 |
1.抗原性が類似したインフルエンザウイルスに再感染する時のウイルスと宿主側の条件についての検討 過去6年間インフルエンザはA型、B型とも抗原性の変異の少ないウイルスが流行している。われわれは、1998年の12月から4インフルエンザシーズンに渡り、大阪府内の1小児科でインフルエンザ確定診断のためにウイルス分離を行い、1000症例以上についてインフルエンザウイルスを分離した。その症例の中で同一血清型のインフルエンザウイルスに再感染した例を17症例みつけた。その内訳は、A香港型が7症例、Aソ連型が3症例、B型が7症例であった。同一患者から分離されたfirst infectionとreinfection時の2つのインフルエンザウイルスのHA1遺伝子を比較したところ、比較的よく似ていたが、まったく同一の配列は示すものはなく、それぞれはその時の流行株と類似した遺伝子配列であった。対血清が得られた14人のうち13人では、first infection後あるいはreinfection直前の抗体上昇がみられなかった。これらのことは、抗原性が類似したインフルエンザウイルスの再感染は、頻度は多くないが起こりえること、そして、その要件としては、ウイルスの抗原性の変異というよりはむしろ免疫反応が弱いということが重要な要因であることを示唆した。 2.経日的にウイルス分離できた患者症例における分離ウイルスの性状解析 2001/2002インフルエンザシーズンにおいて、4人の患者から経日的にMDCK細胞を用いてインフルエンザウイルスを分離・保存した。各ウイルスのHA遺伝子のHA1部分についてRT-PCRを行い、そのPCR産物をクローニングした。各ウイルスについて最大96クローンについて塩基配列を決定した。現在各ウイルスにおけるポピュレーションを調べるためにその塩基配列を解析中である。
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